文献詳細
特集 mTORをめぐるシグナルタンパク
胃がん腹膜播種成立におけるmTORシグナル伝達経路
著者: 小泉桂一1 橋本伊佐也2 櫻井宏明1 済木育夫1
所属機関: 1富山大学和漢医薬学総合研究所病態生化学 2富山大学第二外科
ページ範囲:P.528 - P.534
文献概要
近年,細胞の大きさを制御するmTOR(mammalian target of rapamycin)ががん細胞の増殖を,また,リンパ球の体内動態を制御するケモカインががん細胞の移動を制御し得ることが明らかとなってきた。現在,mTOR阻害剤であるRapamycinに関しては,主に腎がんを対照とした治療が開始されており2),ケモカインに関しては,これらの阻害剤や中和抗体が今後のがん治療の選択肢に加わってくると考えられる。
本稿では,がん転移制御分子としてのこれら「mTOR」と「ケモカイン」との接点を,われわれの最近の知見を基に考察してみたい。
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