文献詳細
文献概要
報告
動物の成長とホルモン作用
著者: 小山良修1
所属機関: 1東京女子医科大学藥理学教室
ページ範囲:P.42 - P.45
文献購入ページに移動 十数年前,私は小児科に於ける内分泌を調べていた際に小児の各内分泌臓器の重量的変化或は尿中に排泄せられるホルモンの量的変化,各臓器の組織学的変化等を年齢的に比較してみると,決して漸進的に変化して行くものでなく,或る年齢に於ては突然急激な変化を現わし階段的で,又,飛躍的であることに興昧を感じた。私は試みにその階段の年齢を1〜2歳 内分泌活動点6〜7歳 内分泌変動点10〜11歳 内分泌再活動点として,従来の小児期の分類を変えてみた。そして此の事に重点を置いて小児の内分泌に関係した各臓器の位置,組織機能等から内分泌の病気1),治療法等に就いて,まとめて小児内分泌として発表した。
それ以来,臨床を離れた私は動物の威長に就いても,そのホルモン作用は又,同様な関係にあるのではなかろうかと考えていた。その為成長期にある幼若動物が一定の時期に至り突然性機能を現わして来るものとすれば,それ以前に性ホルモンを与えた場合に,いかなる影響を成長に及ぼすものであろうか,又一方,成長に関係のある脳下垂体を剔出し,或は骨に関係のある副甲状腺を剔出した場合,いかなる影響を成長に及ぼすものであろうかと考えて実験を試みた。その成績の一端をここに報告する。
それ以来,臨床を離れた私は動物の威長に就いても,そのホルモン作用は又,同様な関係にあるのではなかろうかと考えていた。その為成長期にある幼若動物が一定の時期に至り突然性機能を現わして来るものとすれば,それ以前に性ホルモンを与えた場合に,いかなる影響を成長に及ぼすものであろうか,又一方,成長に関係のある脳下垂体を剔出し,或は骨に関係のある副甲状腺を剔出した場合,いかなる影響を成長に及ぼすものであろうかと考えて実験を試みた。その成績の一端をここに報告する。
掲載誌情報