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綜説
Mechanoreceptorにみられる電気現象
著者: 佐藤昌康1
所属機関: 1熊本大学医学部生理学教室
ページ範囲:P.146 - P.153
文献購入ページに移動 Ⅰ.緒言
ふつうmechanoreceptorといわれる受容器をつぎのようにわけることができる。(ⅰ)触りに応じるtouch receptor,(ⅱ)持続的な圧または張力に応じるpressure receptorおよびtension receptor,(ⅲ)振動に応じる側線器と耳,(ⅳ)痛み刺戟に応じるpain receptor。(ⅲ)はあたえられる刺戟がたんに振動性のものである点から考えると,根本的のメカニズムとしては(ⅰ)にちかいとおもえる。さらにAdrian & Zotterman1)によつて実験的にあきらかにされた(ⅰ),(ⅱ),(ⅳ)のちがいは,たんに順応のはやさに大小があるというだけであつて;知覚神経衝撃を発生するメカニズムそのものに基本的なちがいがあるとは考えられない。ふつう,(ⅰ),(ⅳ)は順応がはやいのでphasic receptor,(ⅱ)は順応がおそいのでpostural receptorといわれている。したがつて,本文ではこれらをひとまとめにして,共通と考えられる知覚衝撃発生のメカニズムにつきロンドンにおいてJ. A. B. Grayとともに実験したことを中心とし,ちかごろあらわれた仕事と関係ずけてのべてみたい。
ふつうmechanoreceptorといわれる受容器をつぎのようにわけることができる。(ⅰ)触りに応じるtouch receptor,(ⅱ)持続的な圧または張力に応じるpressure receptorおよびtension receptor,(ⅲ)振動に応じる側線器と耳,(ⅳ)痛み刺戟に応じるpain receptor。(ⅲ)はあたえられる刺戟がたんに振動性のものである点から考えると,根本的のメカニズムとしては(ⅰ)にちかいとおもえる。さらにAdrian & Zotterman1)によつて実験的にあきらかにされた(ⅰ),(ⅱ),(ⅳ)のちがいは,たんに順応のはやさに大小があるというだけであつて;知覚神経衝撃を発生するメカニズムそのものに基本的なちがいがあるとは考えられない。ふつう,(ⅰ),(ⅳ)は順応がはやいのでphasic receptor,(ⅱ)は順応がおそいのでpostural receptorといわれている。したがつて,本文ではこれらをひとまとめにして,共通と考えられる知覚衝撃発生のメカニズムにつきロンドンにおいてJ. A. B. Grayとともに実験したことを中心とし,ちかごろあらわれた仕事と関係ずけてのべてみたい。
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