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文献詳細

雑誌文献

生体の科学6巻4号

1955年02月発行

文献概要

研究室から

東邦大学高田研究室

著者: 高田蒔1

所属機関: 1東邦大学

ページ範囲:P.191 - P.192

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 「宇宙生物学」という全く目新らしい科学に,筆者の創始した絮数反応という定量法的血清反応を応用し,「対流圏放射腺」と名付けた前代未聞の高エネルギー性放射線の作用によつて生体内に生起するイオン化現象を,毎日健康男子の血液について測定を続けること既に満20年となつた。これまで延べ何万回採血したか,今では正確に数えることが出来ない。よくも頑張り続けたものだと吾ながらツクヅクと感心する。この研究は,生きている人間を精巧な一種の物理化学的装置と見做し,独得の方法を用いて新領域を開拓するものだけに,.最初のうちは日本の物理学者から異端者扱いをされ,言語に絶する妨害と非難を受けたのであつたが,今では誰一人として正面切つて反対しうる人は一人もいなくなつた。それは,この業績が着々とドイツやイタリアの学者の間に認められて来たからでもあろう。しかし。わが国内では,この重大の研究に温い手を差し述べて,物質的な援助を与えようとする篤志家は残念ながら,まだ一人も現われない。一番ひどいのは,絮数反応を公然と横領し,自分の姓名をつけ,自分の発見であるかのように見せかけて,しやあしやあと学界に発表している不徳漢すらある。これは臨床方面だけの応用であり,かつての竹馬の友でもあるので大目に見逃がしてやつてはいるが,陰でそれを非難しながら,面と向つて忠告をする人もいない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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