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論述
MucolipidとBial chromogen—組織の医化学
著者: 山川民夫1
所属機関: 1東京大学伝染病研究所化学研究部
ページ範囲:P.204 - P.217
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私は1952年本誌(第4巻第3号113頁)に"赤血球のリピド──ヘマトシドとグロボシド—或る研究の記録—"と云う多少キザな題で,始めてから約2年間の私共の業績の概要を考察や感想を折まぜながら記述した。私はつねつね学術論文はその道の專攻学者が読んで役立つ為に出来るだけ詳述して,たとえ,無味乾燥であつても止むを得ないが,本誌の様な雑誌では,論文と錐も,肩の凝らない読物でなければならないと云う意見を持つているので,多少脱線し,時には失敗を打明け,或は自慢話めいてもそれは諒承されるものと信じている。一人の研究者がどんな考えで研究を始め,それが如何なる迂余曲折を経て進展して行くかは,同学の士にとつて,非常に知りたい事柄であるので,鳥滸がましい次第であるが,再び前著の続篇として漫然と書き続けさせて戴くことにする。何らかの御参考になれば望外の幸である。
私は1952年本誌(第4巻第3号113頁)に"赤血球のリピド──ヘマトシドとグロボシド—或る研究の記録—"と云う多少キザな題で,始めてから約2年間の私共の業績の概要を考察や感想を折まぜながら記述した。私はつねつね学術論文はその道の專攻学者が読んで役立つ為に出来るだけ詳述して,たとえ,無味乾燥であつても止むを得ないが,本誌の様な雑誌では,論文と錐も,肩の凝らない読物でなければならないと云う意見を持つているので,多少脱線し,時には失敗を打明け,或は自慢話めいてもそれは諒承されるものと信じている。一人の研究者がどんな考えで研究を始め,それが如何なる迂余曲折を経て進展して行くかは,同学の士にとつて,非常に知りたい事柄であるので,鳥滸がましい次第であるが,再び前著の続篇として漫然と書き続けさせて戴くことにする。何らかの御参考になれば望外の幸である。
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