文献詳細
文献概要
特集 遺伝子-脳回路-行動
味覚行動の脳機構
著者: 山本隆1
所属機関: 1畿央大学健康科学部看護医療学科
ページ範囲:P.39 - P.48
文献購入ページに移動 味覚は食行動に欠かせない感覚である。食物の経口摂取に際して,有用なものと有害なものを物質の生じる化学感覚をもとに選別することがその本来の働きである。同じく化学物質が適刺激となる嗅覚は,必ずしも食行動のみに特化した感覚ではなく,対人・対物に関わる社会生活にも重要な感覚である。このような働きの違いが,嗅覚と味覚の受容と処理の神経機構の相違となって反映されているものと思われる。
食べ物が口に入ると,消化器系,内分泌系,体性運動系などに対する反射活動が生じ,快(おいしい)・不快(まずい)に基づく情動行動が続く,そして,味の質や強さの認知も生じる。このような味覚誘発性の行動(味覚行動)は生得的に生じるものと,学習により獲得されるものに分けられる。本稿では,研究の進展が著しい味覚の末梢受容の仕組みに先ず触れた後で,このような味覚行動を生じさせる脳機構の現状を報告し,考察してみたい。
食べ物が口に入ると,消化器系,内分泌系,体性運動系などに対する反射活動が生じ,快(おいしい)・不快(まずい)に基づく情動行動が続く,そして,味の質や強さの認知も生じる。このような味覚誘発性の行動(味覚行動)は生得的に生じるものと,学習により獲得されるものに分けられる。本稿では,研究の進展が著しい味覚の末梢受容の仕組みに先ず触れた後で,このような味覚行動を生じさせる脳機構の現状を報告し,考察してみたい。
参考文献
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