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文献詳細

雑誌文献

生体の科学60巻1号

2009年02月発行

文献概要

連載講座 中枢神経系におけるモジュレーション・11

マウス大脳皮質感覚野の経験による修飾

著者: 澁木克栄1 吉武講平1 駒形成司1 塚野浩明1 大島伸介1 渡邉健児1 任海学1 菱田竜一1

所属機関: 1新潟大学脳研究所システム脳生理学分野

ページ範囲:P.75 - P.80

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 脳の神経回路は経験により活動依存的な修飾を受け,最終的に完成する。この現象は解析が容易な大脳皮質感覚野で盛んに解析されている。遺伝子改変操作は経験依存的可塑性の分子機構を研究する上で重要な手段である。しかし,遺伝子改変操作が容易なマウスの高次脳機能の解析は限定的であり,高次脳機能が詳しく解析されている霊長類の遺伝子改変操作は困難である。このジレンマを解決するため,われわれは経頭蓋フラビン蛋白蛍光イメージングによってマウスの皮質活動を可視化し,経験依存的可塑性を含む高次脳機能の解析に取り組んでいる。神経活動は酸素代謝の亢進を起こし,ミトコンドリア電子伝達系のフラビン蛋白を酸化型にする。酸化型のフラビン蛋白は緑色自家蛍光を発するので,この内因性蛍光シグナルを用いた脳活動のイメージングが可能となる1,2)。マウスでは頭皮を切開するだけで透明な頭蓋骨越しに大脳皮質を観察できるため,内因性フラビン蛋白蛍光シグナルを用いた大脳皮質活動の経頭蓋イメージングが可能である(図1)。われわれは,経頭蓋蛍光イメージングによって,マウス視覚野,聴覚野,体性感覚野の経験依存的可塑性の解析を進めている。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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