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文献詳細

雑誌文献

生体の科学60巻2号

2009年04月発行

文献概要

特集 感染症の現代的課題

感染症から見たTLR

著者: 清川貴志1 高村(赤司)祥子1 三宅健介1

所属機関: 1東京大学医科学研究所感染・免疫大部門感染遺伝学

ページ範囲:P.131 - P.137

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 哺乳類の感染防御機構は自然免疫と適応免疫の2種類のシステムからなっている。病原体が侵入するとまず自然免疫が応答する。自然免疫は危険を察知し,いち早く排除するためのシステムである。その後適応免疫が起こる。自然免疫は適応免疫が機能し始めるまでの数日間,抗菌ペプチドや補体による溶菌,貪食細胞(樹状細胞,マクロファージなど)の貪食・殺菌などにより病原体の増殖を食い止める。

 適応免疫はリンパ球(T細胞,B細胞)が担っている。リンパ球の抗原受容体は遺伝子再構成を行うことによりあらゆる外来抗原に対応する。そして,適応免疫は一度ある抗原に免疫が反応すると記憶され,一度感染した病原体に対して抵抗性が獲得される。一方,自然免疫には適応免疫のような免疫記憶という現象は認められないが,その代わり一度も感染したことのない病原体が侵入してきたとしても,病原体に共通の構造(Pathogen-associated molecular patterns;PAMPs)を認識し,外界から侵入してきた病原体に対して迅速に応答する。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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