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特集 脳と糖脂質
三量体Gタンパク質と脂質ラフト
著者: 湯山耕平1 鈴木直子2 笠原浩二3
所属機関: 1長寿医療センター研究所アルツハイマー病研究部 2理化学研究所オミックス基盤研究領域LSA要素技術開発グループ 3東京都臨床医学総合研究所細胞膜情報伝達プロジェクト2
ページ範囲:P.181 - P.186
文献購入ページに移動三量体Gタンパク質はα,β,γのサブユニットから成り,細胞表面のGタンパク質共役受容体から細胞内の効果器にシグナルを伝える分子スイッチとして働いている。刺激のない状態においては,αサブユニットはGDPと結合しており,三量体Gタンパク質は活性を持たない。活性化した受容体から刺激を受けると,αサブユニットに結合しているGDPが離れてそこにGTPが結合する。この交換によって三量体はαサブユニットとβγ複合体の二つの成分に解離する。Gタンパク質共役受容体は多様な三量体Gタンパク質と共役することができるが,多くのGタンパク質共役受容体は特定の三量体Gタンパク質と優先的に共役する。この相互作用はまず第一にGタンパク質共役受容体と三量体Gタンパク質同士が本来持っている親和性によっている。しかし,あるGタンパク質共役受容体は一つ以上の三量体Gタンパク質と共役することができる。最近,Gタンパク質共役受容体と三量体Gタンパク質との共役パターンの重要な決定因子は脂質ラフトであることがわかってきた4)。
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