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文献詳細

雑誌文献

生体の科学60巻5号

2009年10月発行

文献概要

特集 伝達物質と受容体

序にかえて

著者: 伊藤正男 野々村禎昭 藤田道也

所属機関:

ページ範囲:P.344 - P.344

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 多細胞生物が発生して細胞と細胞がコミュニケートする必要が生じました。いや,順序が逆かもしれません。細胞間コミュニケーションが可能になったので多細胞生物が発生したとも考えられるからです。じっさいは,おそらく同時進行だったのでしょう。一つの細胞からの情報を他の細胞に運ぶ物質が伝達物質(正確には情報伝達物質)です。

 ある組織の細胞から遠く離れた組織の細胞へ情報を伝えるのがホルモンだとすれば,ここでいう伝達物質(主に神経伝達物質)はごく近くの細胞間の情報伝達に関するものです。伝達物質の不必要な拡散を防ぐために生体はシナプスという精密装置を創出しました。これによって近距離間の化学伝達と遠距離間の電気伝達という高速情報伝達システムが完成しました。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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