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特集 伝達物質と受容体 1.アミノ酸 興奮性
NMDA受容体のポリアミン部位と神経突起の伸長
著者: 宝田剛志1 米田幸雄1
所属機関: 1金沢大学大学院自然科学研究科健康薬学講座
ページ範囲:P.358 - P.359
文献購入ページに移動MK-801,イフェンプロジル/NMDA受容体
●NMDA受容体
L-Glutamic acid(Glu)は哺乳動物中枢神経系においても,アミノ酸代謝やエネルギー産生,あるいはタンパク質生合成など細胞の普遍的現象に関与するだけではなく,興奮性ニューロトランスミッターおよび内因性エキサイトトキシンとしての特異的機能も有する1)。この興奮性アミノ酸受容体は特定イオンの細胞膜透過性を調節するイオノトロピック型受容体(iGluR),および細胞内の特定リン脂質加水分解や細胞内環状ヌクレオチド代謝を制御するGTP蛋白共役型メタボトロピック型受容体(mGluR)に大別される。iGluRはさらに外因性アゴニストに対する感受性の相違などにより,N-methyl-D-aspartic acid(NMDA)感受性受容体とNMDA非感受性(non-NMDA)受容体に分類される。
NMDA受容体にはサブユニットとしてNR1サブユニットとNR2A-DおよびNR3A-Bサブユニットが見出されており,機能的なNMDA受容体チャネルの発現にはNR1サブユニットが必須である。NR1サブユニットはNR2A-D,NR3A-B中の1種あるいは数種のサブユニットとヘテロメリックな複合体を形成して,Ca2+透過性の高いイオンチャネル機能を示す。
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