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文献詳細

雑誌文献

生体の科学60巻5号

2009年10月発行

文献概要

特集 伝達物質と受容体 1.アミノ酸 抑制性

GABAA受容体のモジュレーション

著者: 佐久間康夫1

所属機関: 1日本医科大学大学院医学研究科システム生理学分野

ページ範囲:P.374 - P.375

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 [用いられた物質/研究対象となった受容体]

 アロプレグナノロン,THDOC/GABAA受容体


 生殖内分泌調節の最終共通路であるゴナドトロピン放出ホルモン(gonadotropin-releasing hormone:GnRH)産生ニューロンの調節にはGABAが重要な役割を果たしており,ステロイドホルモンやメラトニンによるGABAA電流のモジュレーションが排卵時のGnRHの大量放出や性特異性調節に関わっている。本稿ではEGFPの発現より可視化したラットGnRHニューロン1)における最近の研究の結果を紹介する。

 生殖内分泌調節では脳からの調節に加え,性腺の分泌する性ホルモン,特にエストロゲンによるフィードバック調節が大きな役割を果たしているが,GnRHニューロンはフィードバック調節に不可欠のエストロゲン受容体(ER)αを欠いており,ERα陽性のGABA作動性ニューロンが,GnRHニューロンに対するエストロゲン作用を仲介する可能性が示されている。GnRHニューロンに対するエストロゲン作用には目立った性差があり,雌に限ってポジティブフィードバックによる分泌亢進が見られる。GnRHニューロンの単離初代培養系では,メラトニンによるGABAA電流の修飾2)を例外に,これまで限定的な性差しか検出できていないことも,上位ニューロンによる調節に性差があることを示唆する。ただし,少なくとも細胞体に限れば,GnRHニューロンに対するシナプス入力は数が限られており,ヘミシナプスなどによる体積性伝達が関わる可能性が大きい。

参考文献

144:5118-5125, 2003
58:317-322, 2008
436:35-39, 2008
20:566-575, 2008
doi:10.1095/biolreprod.108.074583, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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