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文献詳細

雑誌文献

生体の科学60巻5号

2009年10月発行

特集 伝達物質と受容体

1.アミノ酸 抑制性

小脳核のGABAA受容体

著者: 坂本敏郎1 遠藤昌吾1

所属機関: 1沖縄科学技術研究基盤整備機構

ページ範囲:P.380 - P.381

文献概要

 [用いられた物質/研究対象となった受容体]

 ムシモール,ピクロトキシン/GABAA受容体


 ●小脳核のGABAA受容体

 感覚情報や大脳で処理された情報は,脳幹を経由して小脳皮質と小脳核にそれぞれ入力する。脳幹から小脳への全ての入力は興奮性であるが,小脳皮質のプルキンエ細胞から小脳核への入力は抑制性であり,GABA(γ-aminobutyric acid)がその伝達を担っている。それゆえ,小脳皮質からの入力を受けとる小脳核のGABAA受容体の生理的機能は,個体における小脳の機能を理解する上で極めて重要である。小脳核にはCl-透過型のGABAA受容体が存在している。

 GABAA受容体は5個のサブユニットから構成されている。サブユニットは数種類存在し,さらに,それぞれのサブユニットにアイソフォームが存在する。これらのサブユニットの組み合わせによりGABAA受容体の特性が決定される。GABAA-ρ受容体(GABAC受容体)を構成するρサブユニットを含め多くのGABAAサブユニットが小脳に存在し,小脳核では主要サブユニットであるα,β,γの存在が明らかにされている。

参考文献

91:719-727, 2004
260:989-991, 1993
1230:125-137, 2008
56:1-23, 2005
104:16690-16695, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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