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文献詳細

雑誌文献

生体の科学60巻5号

2009年10月発行

文献概要

特集 伝達物質と受容体 1.アミノ酸 抑制性

網膜神経節細胞死とGABAA受容体β1サブユニット

著者: 金本尚志1

所属機関: 1広島大学病院眼科

ページ範囲:P.386 - P.387

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 [用いられた物質/研究対象となった受容体]

 ムシモール,ビククリン/GABAA受容体


 ヒト網膜は視覚情報を受容して中枢(大脳)に伝達する役割をもつ,眼球の後眼部内面に存在する膜様の神経組織である。視覚情報はまず網膜外層の視細胞が受容・認識した後,網膜内の神経伝達細胞を介して,網膜内層の網膜神経節細胞に伝達される。網膜神経節細胞から発した求心性の神経線維は束となって視神経となり,大脳内部まで到達している。その結果,最終的に視覚情報が認識される視路が形成されている。

 網膜内の神経伝達物質には,ドーパミン,グリシンなどのほかに,脳内の抑制性神経伝達物質であるγ-アミノ酸(GABA:gamma aminobutyric acid)も存在する。GABAの受容体にはGABAA受容体・GABAB受容体・GABAC受容体があり,それらはα1-α6,β1-β4,γ1-γ4,δ,εなどの多くのサブユニットによって構成されている。特に,GABAA受容体は網膜内に豊富に存在し,神経伝達に重要な役割を果たしている。

参考文献

39:1483-1494, 2000
86:727-733, 2008
117(7):1763-1770, 2007
5:13, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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