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文献詳細

雑誌文献

生体の科学60巻5号

2009年10月発行

文献概要

特集 伝達物質と受容体 1.アミノ酸 抑制性

ショウジョウバエ脳のGABAニューロンの局在と役割

著者: 岡田龍一1 伊藤啓2

所属機関: 1徳島文理大学香川薬学部 2東京大学分子細胞生物学研究所

ページ範囲:P.394 - P.395

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 ●昆虫の神経伝達物質としてのGABA

 ガンマアミノ酪酸(GABA)はヒスタミンとともに昆虫神経系における代表的な抑制性神経伝達物質で,ショウジョウバエ脳ではヒスタミンよりGABAニューロンの方がはるかに多い。他の動物種と同様に,GABAはグルタミン酸脱炭酸酵素(ショウジョウバエではGad1)によってグルタミン酸から合成される。放出されたGABAはシナプス後細胞のイオン型(GABAA)あるいは代謝型(GABAB)受容体と結合し,抑制性シナプス電位を発生させる。イオン型受容体にGABAが結合すると受容体のチャネルが開いて塩素イオンが細胞内に流入し,膜電位を下げる。代謝型受容体はGタンパクを介して,Gタンパク共役型内向き整流性カリウムチャネル(GIRKチャネル)によるカリウムイオンコンダクタンスを上昇させる。イオン型の抑制作用は急速で,代謝型は遅い。シナプス間隙の余剰のGABAはシナプス前細胞のトランスポーターによって再取り込みされる。ショウジョウバエでは興奮性のGABAシナプスはこれまで見つかっていないため,GABAニューロンは一般に抑制性と解釈される。

参考文献

514:74-91, 2009
105:19587-19594, 2008
452:956-960, 2008
12:53-59, 2009
505:18-31, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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