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文献詳細

雑誌文献

生体の科学60巻5号

2009年10月発行

特集 伝達物質と受容体

2.アセチルコリン

マイネルト基底核の刺激で誘発される同側性大脳皮質におけるNGF分泌とニコチン受容体

著者: 堀田晴美1

所属機関: 1東京都健康長寿医療センター研究所自律神経機能研究室

ページ範囲:P.402 - P.403

文献概要

 [用いられた物質/研究対象となった受容体]

 メカミラミン/アセチルコリン(ニコチン)受容体

 アトロピン/アセチルコリン(ムスカリン)受容体


 神経栄養因子は,動物の一生を通して特定のニューロンの生存と機能を支える重要な役割を果たす。神経成長因子(nerve growth factor:NGF)は,前脳基底部のコリン作動性ニューロンの生存と機能にとって不可欠な神経栄養因子であることが示されている。コリン作動性ニューロン自体はNGFをほとんど産生せず,大脳皮質や海馬のような標的部位でNGF産生ニューロンから分泌されるNGFに依存する。NGFの生物学的作用に関する知識の豊富さと比較すると,NGF分泌調節メカニズムに関する知識はごく限られている。コリン作動性軸索の標的部位における,局所のNGF分泌の生理的調節メカニズムを明らかにすることは,NGFの生理的役割を知る上で重要である。

 われわれは最近,in vivoにおいてマイクロダイアリシスによって大脳皮質細胞外のNGFを集め,高感度酵素免疫測定法を使ってNGFレベルを測定する方法を開発した1)。この方法を使った研究により,大脳皮質への広範なコリン作動性入力の源である前脳基底部のマイネルト基底核(nucleus basalis of Meynert:NBM)の刺激が,大脳皮質におけるNGF分泌を促進することを明らかにした1,2)

参考文献

57:383-387, 2007
63:122-128, 2009
9:28-38, 1995
52:383-393, 2002
294:109-112, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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