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文献詳細

雑誌文献

生体の科学60巻5号

2009年10月発行

文献概要

特集 伝達物質と受容体 2.アセチルコリン

ガランタミンによるムスカリン性アセチルコリン受容体活性化の機構

著者: 吾郷由希夫1 松田敏夫1

所属機関: 1大阪大学大学院薬学研究科複合薬物動態学分野

ページ範囲:P.408 - P.409

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 [用いられた物質/研究対象となった受容体]

 ガランタミン/アセチルコリン(ムスカリン)受容体


 近年,統合失調症患者の海馬や大脳皮質,線条体において,ニコチン性アセチルコリン(ACh)受容体やムスカリン性ACh受容体の発現量が低下していること,また頭頂葉において,ACh合成酵素であるコリンアセチルトランスフェラーゼの活性が低下していることが報告され,統合失調症の認知機能障害にACh神経系の機能低下が関与する可能性が示されてきた。このような中で,ガランタミンが臨床において統合失調症の陰性症状や認知機能障害を改善することが報告されている。ガランタミンはドネペジルと同様にアルツハイマー病治療薬として開発されたAChエステラーゼ阻害薬であるが,そのin vitro阻害活性はドネペジルと比較して50-100倍程度も低い。一方で,α7およびα4β2ニコチン性ACh受容体のアロステリック活性化作用を有している。われわれは,薬物誘発ならびに長期隔離飼育誘発のプレパルスインヒビション(PPI)障害モデルにおいてガランタミンの有効性を示し,その作用機序の一端を明らかにしてきた。本稿では,ガランタミンのPPI障害改善作用におけるムスカリン性ACh受容体の関与について概説する。

参考文献

174(1):45-53, 2004
28(3):139-141, 2005
196(2):293-301, 2008
156(1):173-180, 2009
548(1-3):45-52, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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