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文献概要
特集 伝達物質と受容体 3.アミン ドーパミン
扁桃体-海馬系におけるLTPの誘発とドーパミンD2受容体の役割
著者: 阿部和穂1
所属機関: 1武蔵野大学薬学部薬理学
ページ範囲:P.418 - P.419
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SCH23390/ドーパミン(D1)受容体
キンピロール,クロルプロマジン,ハロペリドール/ドーパミン(D2)受容体
プロプラノロール/βアドレナリン受容体
スコポラミン/アセチルコリン(ムスカリン)受容体
ピクロトキシン/GABAA受容体
私たちは,とくに嬉しかったことや怖かった体験などをよく覚えている。つまり,感情は記憶を増強する。この事実は古くから知られているにもかかわらず,メカニズムは不明であった。脳の中で海馬は記憶の形成に関与し,扁桃体は感情を司っている。したがって,海馬と扁桃体の相互作用が「情動によって記憶が増強される仕組み」に深く関係していると考えられる。私の研究グループでは,情動記憶が形成される神経メカニズムを解明するために,麻酔ラットを用いて扁桃体から海馬に至る神経系でのシナプス伝達可塑性を研究してきた。本稿ではその成果の一部を紹介したい。
SCH23390/ドーパミン(D1)受容体
キンピロール,クロルプロマジン,ハロペリドール/ドーパミン(D2)受容体
プロプラノロール/βアドレナリン受容体
スコポラミン/アセチルコリン(ムスカリン)受容体
ピクロトキシン/GABAA受容体
私たちは,とくに嬉しかったことや怖かった体験などをよく覚えている。つまり,感情は記憶を増強する。この事実は古くから知られているにもかかわらず,メカニズムは不明であった。脳の中で海馬は記憶の形成に関与し,扁桃体は感情を司っている。したがって,海馬と扁桃体の相互作用が「情動によって記憶が増強される仕組み」に深く関係していると考えられる。私の研究グループでは,情動記憶が形成される神経メカニズムを解明するために,麻酔ラットを用いて扁桃体から海馬に至る神経系でのシナプス伝達可塑性を研究してきた。本稿ではその成果の一部を紹介したい。
参考文献
28:1560-1562, 2003
125:113-117, 2004
606:90-93, 2009
1017:218-221, 2004
55:1419-1424, 2008
掲載誌情報