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文献概要
特集 伝達物質と受容体 3.アミン アドレナリン・ノルアドレナリン
心臓交感神経のシナプス前α2-アドレナリン受容体の役割
著者: 宮本忠吉1
所属機関: 1森ノ宮医療大学保健医療部理学療法学科
ページ範囲:P.422 - P.423
文献購入ページに移動 ●シナプス前α2-アドレナリン受容体について
交感神経のシナプス前α2-アドレナリン受容体は,主にノルアドレナリン神経系のシナプス前膜に存在する。リガンドによってその受容体が刺激されると,抑制性Gタンパク質が活性化されアデニル酸シクラーゼが不活化されることでATPからのcAMPの生成が抑制される。このようなシナプス前抑制の機構は,神経末端においてノルエピネフリンがある濃度以上に達したとき負のフィードバックを行い,ノルエピネフリンの放出抑制,交感神経自身の心拍数や血圧調節の減弱作用をもたらすなど,自律神経性循環調節において重要な役割を担っている。
神経伝達物質の放出がシナプス前の自己受容体によって調節されるという概念は1970年代に提案された。Langer1)は,交感神経刺激に対する心拍反応の大きさがαアドレナリン受容体アンタゴニスト,フェントラミンの投与によって増すことを証明し,はじめてその生理学的意義を明らかにした。
交感神経のシナプス前α2-アドレナリン受容体は,主にノルアドレナリン神経系のシナプス前膜に存在する。リガンドによってその受容体が刺激されると,抑制性Gタンパク質が活性化されアデニル酸シクラーゼが不活化されることでATPからのcAMPの生成が抑制される。このようなシナプス前抑制の機構は,神経末端においてノルエピネフリンがある濃度以上に達したとき負のフィードバックを行い,ノルエピネフリンの放出抑制,交感神経自身の心拍数や血圧調節の減弱作用をもたらすなど,自律神経性循環調節において重要な役割を担っている。
神経伝達物質の放出がシナプス前の自己受容体によって調節されるという概念は1970年代に提案された。Langer1)は,交感神経刺激に対する心拍反応の大きさがαアドレナリン受容体アンタゴニスト,フェントラミンの投与によって増すことを証明し,はじめてその生理学的意義を明らかにした。
参考文献
294:671-672, 1981
107:73-146, 1987
283:R287-R295, 2002
287:H860-H865, 2004
295:H1855-1866, 2008
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