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特集 伝達物質と受容体 3.アミン アドレナリン・ノルアドレナリン
骨格筋と心筋におけるβ1とβ2-アドレナリン受容体の遺伝子発現とその調節
著者: 佐藤章悟1 谷端淳1 今泉和彦1
所属機関: 1早稲田大学人間科学学術院生体機能学研究室
ページ範囲:P.426 - P.427
文献購入ページに移動クレンブテロール,デキサメタゾン/β-アドレナリン受容体
骨格筋のβ-アドレナリン受容体(AR)を介した情報伝達は筋タンパク質合成と分解,グリコーゲン代謝,脂質代謝など様々な生理機能に関与する。骨格筋に分布するβ-ARサブタイプはβ2-ARが80-95%,β1-ARが5-10%を占め,β3-ARは殆んどない。また,β2-ARの密度は収縮速度の低い筋(slow-twitch muscle:ST筋)(ヒラメ筋)では収縮速度の高い筋(fast-twitch muscle:FT筋)(長指伸筋・足底筋)より2-3倍高い。一方,心筋のβ-ARを介した情報伝達は心収縮力や心拍数などの生理機能に関与する。心筋に分布するβ-ARサブタイプはβ1-ARが60-70%,β2-ARが20-30%を占め,β3-ARは殆んどない。特に左心室筋(left ventricle muscle:LV筋)ではβ1とβ2-ARの密度が高い。このような骨格筋と心筋のβ1とβ2-AR発現は,カテコールアミンやグルココルチコイドなどの生体内情報伝達物質によって影響を受ける。また,各種作動薬によっても骨格筋と心筋のβ1とβ2-AR発現は変動するが,遺伝子発現に着目した研究は比較的少ない。
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