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特集 伝達物質と受容体 3.アミン セロトニン
5-HT受容体の種類とその役割
著者: 有田秀穂1
所属機関: 1東邦大学医学部統合生理学
ページ範囲:P.428 - P.429
文献購入ページに移動 セロトニン(5-HT)は血管平滑筋を収縮させる物質として約60年前に発見され,それは今日,片頭痛の治療薬として臨床応用されている。一方,5-HTは脳内にも同定され,広汎な脳脊髄領域に5-HT受容体が分布し,さまざまな調節機能に関与する。それらは覚醒,気分,記憶,概日リズム,鎮痛,姿勢筋促通,自律神経調節などに及ぶ。脳,血管以外では,消化管や皮膚においても5-HT作用は知られている。本稿では,神経伝達物質としての5-HTに焦点を当てて概説する。
5-HT神経は脳幹の縫線核群に数万個の細胞群として存在する。中脳・背側縫線核の5-HT神経は上行性に投射し,前頭前野,側坐核,扁桃体,視床,小脳などに影響を与える。正中縫線核5-HT神経は海馬,中隔,視床下部などに投射する。下部脳幹の5-HT神経は下行性に投射して,その神経終末は延髄,脊髄に分布して,それぞれ異なる受容体を介して作用する。
5-HT神経は脳幹の縫線核群に数万個の細胞群として存在する。中脳・背側縫線核の5-HT神経は上行性に投射し,前頭前野,側坐核,扁桃体,視床,小脳などに影響を与える。正中縫線核5-HT神経は海馬,中隔,視床下部などに投射する。下部脳幹の5-HT神経は下行性に投射して,その神経終末は延髄,脊髄に分布して,それぞれ異なる受容体を介して作用する。
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