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文献詳細

雑誌文献

生体の科学60巻5号

2009年10月発行

文献概要

特集 伝達物質と受容体 3.アミン セロトニン

中隔核における5-HT1B受容体の役割

著者: 蓮尾博1 赤須崇1

所属機関: 1久留米大学医学部生理学講座統合自律機能部門

ページ範囲:P.430 - P.431

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 セロトニンは情動,認知,攻撃性,食欲,睡眠,呼吸その他の様々な生理学的,行動学的機能に関与している。さらにうつ病,強迫性障害,不安障害などの神経精神疾患の治療薬はセロトニン神経系を介して作用していると考えられるものも多い。中隔核は大脳辺縁系に属し,海馬や扁桃体と密接な関係にあり,視床下部や脳幹とも神経連絡があることなどから,自律神経の上位中枢として働いていると考えられている。ここには脳幹の縫線核からセロトニン作動性ニューロンの入力があり,自律神経機能や情動の形成に深く関わっていると思われる。背外側中隔核(dorsolateral septal nucleus:DLSN)ニューロンにおけるこれまでの研究で,セロトニンは種々の5-HT受容体サブタイプを活性化させてシナプス伝達の修飾をしていることが明らかとなった。本稿では,DLSNにおける5-HT1受容体(5-HT1A,5-HT1B),特に抑制性シナプス伝達の5-HT1B受容体を介する修飾作用について概説する。

参考文献

1)Risold PY:The rat nervous system, 3rd Ed, Paxinos G(ed), pp605-632, Elsevier Academic Press, San Diego, 2004
45:373-395, 1995
85:1453-1460, 2001
22:7509-7517, 2002
48:229-238, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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