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文献詳細

雑誌文献

生体の科学60巻5号

2009年10月発行

文献概要

特集 伝達物質と受容体 3.アミン セロトニン

末梢の急性炎症に対する5-HTの作用機構

著者: 小幡英章1 斎藤繁1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科脳神経病態制御学講座麻酔神経科学

ページ範囲:P.434 - P.435

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 [用いられた物質/研究対象となった受容体]

 塩酸サルポグレラート,ケタンセリン,RS102221,SB242084/セロトニン(5-HT)受容体


 セロトニン(5-Hydroxytryptamine,以下5-HTと略す)は,生体内に広く存在する生理活性アミンで,ヒトではその90%が小腸のエンテロクロマフィン細胞に含まれ,8%が血小板に,1-2%が中枢神経系に存在する。多様な生理的機能を担っているが,痛みに関しても重要な役割を果たしており,5-HTが偏頭痛を誘発することはよく知られている。体性痛に関しても5-HTは深く関与しており,末梢では痛みを増強する因子として,中枢神経系では下行性抑制系の一翼を担う神経伝達物質として知られている。近年,動物の様々な疼痛モデルが開発され,末梢での炎症性疼痛に関与する5-HTの役割が明らかになりつつある。

参考文献

30:117-125, 2009
404:95-102, 2000
122:130-136, 2006
13:441-7, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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