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文献詳細

雑誌文献

生体の科学60巻5号

2009年10月発行

文献概要

特集 伝達物質と受容体 3.アミン ヒスタミン

H1受容体アンタゴニストによる記憶欠損

著者: 亀井千晃1

所属機関: 1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科薬効解析学

ページ範囲:P.440 - P.441

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 [用いられた物質/研究対象となった受容体]

 クロルフェニラミン,ジフェンヒドラミン,プロメタジン,ピリラミン,アゼラスチン,ケトチフェン,オキサトミド,アステミゾール,2-メチルヒスタミン,4-メチルヒスタミン/ヒスタミン(H1)受容体


 第一世代のH1受容体アンタゴニスト(クロルフェニラミン,ジフェンヒドラミン,プロメタジンン)は,従来より眠気,倦怠感などの中枢抑制作用を示すことがよく知られている。しかし,ヒスタミンやH1受容体アンタゴニストにより,記憶・学習機能が影響されるという報告はあまり知られていなかった。1986年de AlmeidaとIzquierdoによって,ヒスタミン作動性神経が学習・記憶に関与することがマウスのstep-through型受動的回避反応を用いてはじめて報告された。この論文は,受動的回避反応の獲得試行直後にヒスタミンをマウスの側脳室内に投与すると受動的回避反応が促進されること,そしてこの作用はH1受容体アンタゴニストにより拮抗されることを示したものである。受動的回避反応は非常に簡便で,薬物作用の検定を行うには便利であるが,1回の訓練だけでの学習は真の学習といえるか否かに疑問を抱いた。従って,step-through型能動的回避反応および8方向放射状迷路テストを用いて,ヒスタミン作動性神経,H1受容体アンタゴニストと記憶・学習との関連について検討した。

参考文献

283:193-198, 1986
102:312-318, 1990
111:376-382, 1993
197:107-114, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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