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特集 伝達物質と受容体 4.ペプチド オピオイド
新しいNTI誘導体
著者: 長瀬博1
所属機関: 1北里大学薬学部生命薬化学教室
ページ範囲:P.450 - P.451
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nor-BNI/κオピオイド受容体
TRK-850,TRK-851/δオピオイド受容体
近年,オピオイド受容体がμ,δ,κの三つのタイプに分類され,われわれはそれぞれのタイプに選択性の高い拮抗薬を設計するため,その当時発見されていた内因性のオピオイドペプチドの構造よりメッセージ-アドレスの概念を見出した(図1)。この概念では,オピオイドは本来活性に関係するメッセージ部分とタイプ選択性に関係するアドレス部分から構成されるというものである。そして,アドレス部分の大きさによりμ,δ,κ受容体への選択性が決定されるというもので,μのアドレスが最も小さく,次がδ,最も大きなアドレスを有するものがκ受容体である。われわれはこの概念に基づきκ拮抗薬,nor-BNIとδ拮抗薬,NTIの設計・合成に成功した(図1)1)。
この二つの選択的拮抗薬は薬理学者のバイブルともいわれている「グッドマン・ギルマンの薬理書」のオピオイド受容体タイプ選択的リガンドの表に掲載され,世界中の研究者によりオピオイドの研究に使用されている2)。
nor-BNI/κオピオイド受容体
TRK-850,TRK-851/δオピオイド受容体
近年,オピオイド受容体がμ,δ,κの三つのタイプに分類され,われわれはそれぞれのタイプに選択性の高い拮抗薬を設計するため,その当時発見されていた内因性のオピオイドペプチドの構造よりメッセージ-アドレスの概念を見出した(図1)。この概念では,オピオイドは本来活性に関係するメッセージ部分とタイプ選択性に関係するアドレス部分から構成されるというものである。そして,アドレス部分の大きさによりμ,δ,κ受容体への選択性が決定されるというもので,μのアドレスが最も小さく,次がδ,最も大きなアドレスを有するものがκ受容体である。われわれはこの概念に基づきκ拮抗薬,nor-BNIとδ拮抗薬,NTIの設計・合成に成功した(図1)1)。
この二つの選択的拮抗薬は薬理学者のバイブルともいわれている「グッドマン・ギルマンの薬理書」のオピオイド受容体タイプ選択的リガンドの表に掲載され,世界中の研究者によりオピオイドの研究に使用されている2)。
参考文献
1)長瀬博,山本尚:創薬―薬物分子設計のコツ,pp241-280,エルゼビアサイエンス・ミクス,東京,2001
2)Goodman and Gilman(著),高折修二・他(監訳):グッドマン・ギルマン薬理書,第9版,p726,廣川書店,東京,2003
249:161-165, 1991
51:4404-4411, 2008
16:7956-7967, 2008
掲載誌情報