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特集 ユビキチン化による生体機能の調節
核小体の機能のユビキチンダイナミクスによる制御
著者: 駒田雅之1 遠藤彬則1
所属機関: 1東京工業大学大学院生命理工学研究科
ページ範囲:P.521 - P.526
文献購入ページに移動 核小体は,真核細胞のリボソーム生合成の場として古くから知られた核内で最大のコンパートメントである(図1)1)。核小体はリボソームRNA(rRNA)遺伝子のクラスターを含む染色体領域(nucleolar organizer region)に形成し,fibrillar center(FC),dense fibrillar component(DFC),granular component(GC)の三つのサブコンパートメントからなる。rRNA遺伝子はFCに局在し,FCとDFCの境界でrRNA前駆体がRNAポリメラーゼⅠにより転写される。その後,DFとGCにおける多段階のrRNA前駆体プロセシング,rRNAとリボソームタンパク質の会合を経て60Sおよび40Sリボソームサブユニットが構築され,それらは核小体から運び出されて細胞質で成熟80Sリボソームを形成する。また近年,核小体が細胞周期やストレス応答など,他にも様々な細胞機能を制御していることが解明され,その多機能性も注目されている2)。筆者らは,核小体に局在する新規の脱ユビキチン化酵素を見出し,その分子機能を解析している3,4)。本稿では,この解析を通して明らかになってきたタンパク質のユビキチン化と脱ユビキチン化による核小体機能の制御機構について紹介する。
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