icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学60巻6号

2009年12月発行

文献概要

特集 ユビキチン化による生体機能の調節

脳の脱ユビキチン化酵素活性のユビキチン単量体と二量体による調節

著者: 和田圭司1 節家理恵子2

所属機関: 1国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第4部 2青山学院大学理工学部化学・生命科学科

ページ範囲:P.546 - P.550

文献購入ページに移動
 脱ユビキチン化酵素(DUB:deubiquitinating enzyme)は,ユビキチンプロ蛋白質(proprotein)あるいはユビキチン化された蛋白質からユビキチンを切り出す酵素群の総称である。DUBはエネルギー依存的蛋白分解系であるユビキチン-プロテオソーム系の主要構成メンバーの一つとして位置づけられ,ヒトゲノム上約100種が存在する1-3)。これらは5種のファミリーに大別され,そのうち4種はシステインプロテアーゼであり,UCH(ubiquitin C-terminal hydrolase),UBP/USP(ubiquitin specific protease),OTU(ovarian tumor domain),MJD(ataxin3/Joseph domain)ファミリーから構成される1-3)。残る1種はJAMM(JAB1/MPN/Mov34 metalloenzyme domain zinc-dependent metalloprotease)ファミリーとして知られている1-3)

 われわれはこれらDUBのなかでUCHファミリーについて研究を行っており,今回UCHの内在性活性制御因子としてユビキチン単量体(モノユビキチン)とユビキチン二量体を見出したので概説する。なお,ユビキチン二量体についてはジユビキチンという表現もされるが,ubiquitinと無関係の遺伝子でdiubiquitin(別名ubiquitin DあるいはFAT10)と命名された遺伝子が存在するので混乱を避けるため本項では二量体という表記に統一する。

参考文献

123:773-786, 2005
78:363-397, 2009
10:550-563, 2009
37:3358-3368, 1998
31:909-917, 2008
29:2181-2192, 2009
395:451-452, 1998
23:47-51, 1999
126:775-788, 2006
27:691-701, 2008
29:7857-7868, 2009
17:1482-1496, 2008
283:23731-23738, 2008
4:827-829, 2008
108:932-944, 2009
106:4635-4640, 2009
111:209-218, 2002
17:2160-2171, 2008
119:1338-1344, 2006
97:523-529, 2006
4:e5955, 2009
165:1367-1374, 2004
73:40-49, 2006
20:2498-2504, 2000
169:132-141, 2006
(in press)
(in press)
28)和田圭司,節家理恵子:医学のあゆみ 211:23-28,2004
29)和田圭司:現代医療 36:921-926,2004
30)和田圭司,株田智弘:日本臨床 67(Suppl 4):41-45,2009
52:105-111, 2007
10:837-846, 2003
15:6810-6818, 2007
12:1945-1958, 2003
92:1061-1072, 2005
119(Pt1):162-171, 2006
79:1080-1089, 2001
282:10567-10575, 2007
54:314-321, 2009
291:1067-1077, 1999
134:668-678, 2008
39:10001-10010, 2000
24:84-95, 2004
251:688-692, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?