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特集 脳科学のモデル実験動物
発達障害ヒト型モデルマウス
著者: 内匠透1
所属機関: 1広島大学 大学院医歯薬学総合研究科 探索医科学講座 統合バイオ研究室
ページ範囲:P.65 - P.70
文献購入ページに移動言語の障害に代表される上記の精神行動異常を生物学的に解析することは困難と考えられ,特に動物モデルは難しいものと予想されていた。さらに,自閉症の研究はこれまで生物学的研究というよりもむしろ障害児教育の問題として教育心理学的に問題とされることがほとんどであった。しかしながら,最近の神経科学の進歩とともに,とりわけ,米国においては,自閉症の(生物学的)研究が非常に盛んになってきた。過去数年間のNIHの研究費停滞の状況下においても自閉症研究費は増加し続けてきた。専門誌のみならず主要雑誌にも最近頻繁に自閉症に関するさまざまな論文が掲載され,様々な動物モデルも報告されているが3-6),決定的な動物モデルは存在していなかったといわざるを得ない状況である。今回われわれは,最新の染色体工学的手法を用いることにより,臨床例に基づく自閉症ヒト型モデルマウスの作製に成功した7,8)。
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