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文献詳細

雑誌文献

生体の科学61巻1号

2010年02月発行

文献概要

実験講座

新しい蛍光Ca2+センサーG-CaMPを用いた生体Ca2+画像化

著者: 大倉正道1 中井淳一1

所属機関: 1埼玉大学 脳科学融合研究センター

ページ範囲:P.86 - P.92

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 オワンクラゲの蛍光蛋白質Green Fluorescent Protein(GFP)を発見したShimomura博士に2008年のノーベル化学賞が授与されたことは記憶に新しい。GFPは青色の光をあてると緑色の蛍光を発する。近年,GFP(本稿ではGFPの改良体や類似の蛍光蛋白質も含めてFPと呼ぶ)を用いた蛍光Ca2+センサーの開発が目覚しく進んでいる。それらはGECI(Genetically-Encoded Ca2+ Indicators,遺伝子でコードされるCa2+指示薬)の通称で知られるようになった。われわれは細胞内Ca2+濃度変化(Ca2+シグナル)に伴って大きな蛍光強度変化を起こすGECI,G-CaMPを開発した1)

 G-CaMPの特長は,G-CaMPがGFPと同様のスペクトル特性を持っているので,標準的な蛍光顕微鏡やレーザー顕微鏡で容易に観察することができる点,およびG-CaMPをコードする遺伝子を細胞に導入することにより,生体内で細胞特異的な発現が可能になる点である。近年,生体内でのCa2+濃度の変化を感知する必要性が以前にも増して高まっている。G-CaMPを含むGECIは,そのような解析を行うのにも適している。実際に,われわれはG-CaMPやその改良体を細胞特異的に発現するトランスジェニック動物を作出し,生体レベルでのCa2+画像化による細胞機能解析を行ってきた。

 本稿ではGECIの歴史,種類を説明しながら,改良型G-CaMPであるG-CaMP2の開発,応用例,今後の課題について順に概説する。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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