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量子ドット1分子イメージングによる生体膜分子動態の解析
著者: 坂内博子1 御子柴克彦1
所属機関: 1独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター 発生神経生物研究チーム
ページ範囲:P.194 - P.200
文献購入ページに移動近年の顕微鏡,検出機,蛍光プローブなどのイメージング技術の目覚ましい進歩により,生きた細胞内で生体分子の1個1個の動きを高い時間・空間解像度で追跡することが可能になった。分子の1個の動きを生きた細胞の上で追跡することの最大の利点は,多分子の平均的な現象をとらえる従来の方法では決して得られない情報を得ることができることである。分子間相互作用やシグナル伝達のように確率論的に起こる事象は,多分子の集合体の中ではその瞬間を検出することができない。しかし,1分子に注目してその動きを追跡することにより,これらの現象が「いつ」「どこで」「どのように」起こるのかを,分子レベルで詳細に調べることができる。この利点を生かして,現在1分子イメージングは細胞内シグナル伝達,細胞内輸送,細胞膜の構造,免疫反応,シナプス伝達などの分子機構を解明するための強力なツールとして用いられている。
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