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特集 SNARE複合体-膜融合の機構
リポソームを用いたSNARE複合体介在膜融合のモデル
著者: 平嶋尚英1 田所哲1
所属機関: 1名古屋市立大学大学院 薬学研究科 生体超分子システム解析学分野
ページ範囲:P.204 - P.208
文献購入ページに移動v-SNAREであるVAMP2とt-SNAREであるSNAP25とsyntaxin1の三つの蛋白質だけで,リポソームの膜融合が起こることがはじめて示されたのは1998年である2)。リポソームを用いた膜融合活性の測定は古くからいろいろな方法で行われているが,Rothmanらは,蛍光共鳴エネルギー移動(fluorescence resonance energy transfer:FRET)という現象を利用した方法3)を用いて,SNARE蛋白質を組み込んだリポソームの融合に伴うlipid mixingを測定した。リポソームにSNARE蛋白質を組み込んだモデル系は,その構成要素や実験条件を厳密にコントロールできるという点ですぐれた実験系であるが,当然実在の細胞系とは異なるので,得られた結果の解釈には注意しなくてはならない。細胞系とリポソーム系は互いに補完しあって,真実に近づいていくと考えるべきであり,後述するように実際そのようになっている。
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