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文献詳細

雑誌文献

生体の科学61巻3号

2010年06月発行

文献概要

特集 SNARE複合体-膜融合の機構

シナプス小胞の開口放出におけるシナフィンの機能

著者: 得丸博史1 清水-岡部千草1 阿部輝雄2

所属機関: 1徳島文理大学 香川薬学部 2新潟大学 脳研究所 細胞神経生物学分野

ページ範囲:P.247 - P.251

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 脳には1000億個以上の神経細胞(ニューロン)が存在する。ニューロン同士は“シナプス”で接続し,学習や記憶に必要な神経回路を形成している。学習とは経験によって神経回路が可塑的に変化することであり,この変化が維持されることが記憶である。したがって,学習や記憶のメカニズムを理解するためには,シナプスの情報伝達機構を明らかにする必要がある。

 ニューロンの興奮が神経終末に到達すると,開口した電位感受性Ca2+チャネルを通して外液中のCa2+が神経終末内に流入する。流入したCa2+はシナプス小胞とシナプス前膜の迅速な融合を誘導し,小胞内の神経伝達物質を細胞外に開口放出させる(図1)。シナプス小胞の開口放出(エキソサイトーシスとも呼ばれる)の特徴は,1)Ca2+による厳密な制御と2)驚異的なスピード(~1ミリ秒)である。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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