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特集 miRNA研究の最近の進歩
マススペクトロメトリーを用いたmiRNAの直接解析
著者: 鈴木勉1
所属機関: 1東京大学大学院 工学系研究科 化学生命工学専攻
ページ範囲:P.290 - P.296
文献購入ページに移動 microRNA(miRNA)は動物と植物が共通に持つ約20塩基長の一本鎖RNAであり,標的となるmRNAの3'非翻訳領域(UTR)と相補鎖を形成することでタンパク質合成を抑制する働きを担っている。miRNAは,組織特異的かつ細胞の分化状態に応じて時空間的にその発現プロファイルが変動することが知られ,発生,分化,形態形成などの高次生命現象に関わっていることが知られている。また,癌をはじめとする疾患で,その発現が大きく変化することが報告され,診断マーカーとしての活用が期待されている。したがって,miRNAをより簡便にかつ定量的に測定する手法が求められている。筆者らは,高感度質量分析法を用いたRNAマススペクトロメトリー(RNA-MS)を開発している。本稿では,miRNAの直接プロファイリングや,miR-122の選択的安定化機構の発見など,RNA-MSを用いた最近の成果について解説する。
参考文献
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