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文献詳細

雑誌文献

生体の科学61巻4号

2010年08月発行

文献概要

特集 miRNA研究の最近の進歩

TuD RNA発現ベクターを用いたmiRNAの活性阻害による機能解析

著者: 原口健1 櫻井浩平1 伊庭英夫1

所属機関: 1東京大学 医科学研究所 宿主寄生体学分野

ページ範囲:P.326 - P.331

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 miRNAは内在性に発現される小さな(20~25ヌクレオチド)調節性の非コードRNAである。ヒトにおいてはこれまで1000種類近くのmiRNAが見つかっているが,一つのmiRNAが抑制するmRNAは1種類ではなく100種を越える場合もあることから,ヒトコード遺伝子の60%以上がmiRNAの標的となっていると予想される1)。これまでに,miRNAは相補配列をもつ標的mRNAの発現を主として翻訳レベルで抑制することにより固有の遺伝子ネットワークを形成し,発生,分化,および感染に対する細胞防御などにおいて重要な役割を果たしていることが報告されている。各々のmiRNA遺伝子は,pol Ⅱ制御下のプロモーターから転写され,その発現は発生,分化過程で厳密に制御されていることが知られる。がんをはじめとする多くのヒト疾患において,特定のmiRNAの発現異常が知られるようになり,最近ではその異常が患者の血液中のエクソソーム内に検出されるmiRNAの量比に反映されることがあることが示され,疾患の診断の有力なマーカーとして注目され,使用されつつある2,3)

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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