雑誌『生体の科学』では,年1回生命科学にとって普遍性の高い重要な課題を選び,集約した知識を読者の総覧に供するための倍大特集をお届けしています。
本年は,「脳の鍵構造」ともいわれるシナプスおよびその近傍において,その多様な機能を支える細胞内シグナリングとその関連事象を課題として取り上げました。
雑誌目次
生体の科学61巻5号
2010年10月発行
雑誌目次
特集 シナプスをめぐるシグナリング
序にかえて フリーアクセス
著者: 伊藤正男 , 野々村禎昭 , 藤田道也
ページ範囲:P.378 - P.378
1.受容体
AMPA受容体の発現調節
著者: 守村直子
ページ範囲:P.380 - P.381
AMPA型受容体は,イオンチャネル型グルタミン酸受容体の一つであり,神経終末から放出されるグルタミン酸と結合して素早くシナプス後部の脱分極を起こす,速い興奮性神経伝達を担っている。近年,記憶学習といった脳機能は,シナプスにおけるグルタミン酸受容体を介したシナプス伝達効率の変化(シナプス可塑性)で説明できるようになった。特に,長期増強(LTP)や長期抑圧(LTD)が細胞レベルのシナプス可塑性モデルとして用いられるようになり,神経活動依存的なシナプス可塑性は,AMPA受容体のシナプス後部における発現の変化に起因するという考えが定着しつつある。したがって,AMPA受容体の発現調節の全容解明,またその制御を担う分子の発見は,記憶学習の実体解明に繋がる鍵と考えられている。ここでは,AMPA受容体のシナプス発現の概要,ならびに,最近明らかにされた個体レベルでのAMPA受容体の発現調節に関する知見を紹介する。
Delta2受容体
著者: 幸田和久 , 掛川渉 , 柚﨑通介
ページ範囲:P.382 - P.383
Delta2受容体(GluD2)は遺伝子配列の相同性からイオンチャネル型グルタミン酸受容体(iGluR)に分類されるが,グルタミン酸には結合しない。そのため,GluD2は小脳機能に必須であるものの,オーファン受容体として扱われ,その作用機序は長年不明であった。しかし,ここ数年間でGluD2のユニークな分子機構が次第に明らかになってきた。
逆行性シナプス伝達における内因性カンナビノイドシグナリングの分子機構
著者: 橋本谷祐輝 , 狩野方伸
ページ範囲:P.384 - P.385
カンナビノイド受容体
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体で,CB1とCB2の2種類がある。CB1は中枢神経系に,CB2は免疫系に多く発現している。マリファナ吸引による幻覚,鎮痛,運動障害,食欲増進,記憶障害などの様々な中枢作用は,主として脳のCB1受容体を介する。CB1受容体は脳内に広く分布しており,特に大脳皮質,海馬,扁桃体,大脳基底核,視床,小脳などに多い1)。興奮性,抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが,その発現パターンは脳部位によって異なる。例えば海馬では,一部の抑制性ニューロンに強く発現しており,これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現している。海馬の抑制性ニューロンのうちでも,パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず,コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現するといった,極めて選択的な発現パターンを示す。ニューロン内では,神経終末および軸索に豊富に局在し,細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。神経終末でのCB1受容体の活性化はGi/oタンパク質を介して電位依存性Ca2+チャネルを抑制し神経伝達物質の放出を減少させる。
1型インシュリン様成長因子受容体
著者: 柿澤昌
ページ範囲:P.386 - P.387
1型インシュリン様成長因子受容体(IGF-1R)およびそのアゴニストである1型インシュリン様成長因子(IGF-1)は,神経細胞の発達,分化,生存などに広く関与する。IGF-1Rの発現は神経幹細胞を含む脳の殆どの神経細胞で見られる。一方,IGF-1の発現も脳全体に広く見られるが,そのレベルや分布は発達段階により大きく変化する。IGF-1Rは,細胞外に位置しIGF-Ⅰと結合するαサブユニットと,膜貫通領域および細胞質内のチロシンキナーゼドメインを有するβサブユニットより成るヘテロ4量体である。IGF-1がIGF-1Rのαサブユニットに結合すると,βサブユニットのチロシンキナーゼ領域内のTyrがトランス型の自己リン酸化反応によりリン酸化される。βサブユニットの自己リン酸化に引き続き,インシュリン受容体基質1(IRS-1)のTyrがリン酸化され,PIP3産生の促進やMAPキナーゼの活性化が起こる。IGF-1Rは2型インシュリン様成長因子(IGF-2)およびインシュリンにも,IGF-1の1/5~1/2,および1/1000~1/100程度の結合性を示す。
上述のように,IGF-Ⅰ発現のレベル・部位が発生段階に伴い大きく変化することから,IGF-1Rは基本的には自己分泌(autocrine)または傍分泌(paracrine)されたアゴニストと結合すると考えられる。しかし,IGF-Ⅰは血液脳関門を通過するとされており,IGF-1レベルが血中よりも脳内の方が低い時には,循環性のIGF-1が脳に影響を与える可能性も示唆されている。IGF-1/IGF-1Rシグナルの「神経細胞」の発達・分化・生存などへの作用について多数の報告がある一方で,「シナプス」に対する影響に関しては比較的報告は少ない。そこで,本稿ではIGF-1/IGF-1Rシグナルのシナプスに対する作用について触れたい。
代謝型グルタミン酸受容体
著者: 橋本浩一
ページ範囲:P.388 - P.389
グルタミン酸は,中枢神経系において神経細胞間の興奮性信号伝達を仲介する神経伝達物質である。グルタミン酸受容体には大きく分けて,イオンチャネルと共役して細胞の膜電位の変化などを引き起こすイオンチャネル型の受容体と,3量体G蛋白質に共役して細胞内の様々なシグナル伝達系を活性化する代謝型の受容体が存在する。
代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)は7回膜貫通型の構造を持ち,共役する3量体G蛋白質の種類やアミノ酸配列の相同性により,Group Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ型に分類される。Group Ⅰ型にはmGluR1とmGluR5が属し,Gq/11と共役しホスホリパーゼCβの活性化を介して,イノシトール三リン酸とジアシルグリセロールの産生を促進する。主にシナプス後細胞のシナプス周辺領域に存在し(図),可塑性や神経細胞の興奮制御などに関与する。Group Ⅱ型にはmGluR2とmGluR3が含まれる。Group Ⅱ型はGi/oと共役し,アデニル酸シクラーゼの活性を抑制して細胞内cAMP濃度の低下を引き起こす。主にシナプス前終末に存在するが,一部の細胞ではシナプス後部にも存在する(図)。Group Ⅲ型にはmGluR4,mGluR6,mGluR7,mGluR8が含まれ,Gi/oと共役し,シナプス前終末に存在して伝達物質の放出を制御する働きを持つ(図)。Group Ⅱ型とGroup Ⅲ型は,シナプス前終末での分布が若干異なっており,Group Ⅲ型はシナプス間隙のアクティブゾーンに主に分布するのに対し,Group Ⅱ型はシナプスの周辺領域に多く分布する(図)。本稿では,これらmGluRの神経回路レベルでの機能について概説する。
神経活動によって調節される局所GABAA受容体の機能
著者: 岩井陽一 , 俣賀宣子
ページ範囲:P.390 - P.391
興奮性-抑制性伝達のバランスが適切に保たれることは脳内の情報処理や可塑性に重要であり,その不均衡はてんかんや統合失調症といった様々な神経疾患を引き起こすと考えられている。近年,脳活動に応じて抑制性伝達が巧妙に調節されることが報告された。そこで,主要な抑制性伝達を仲介するGABAA受容体に焦点をあて,その一部を紹介する。
シナプス形成におけるLRP4シグナリングの関与
著者: 棚橋浩 , 鈴木龍雄
ページ範囲:P.392 - P.393
LRP4の分子特性
最初に,本稿で扱うLow density lipoprotein receptor-related protein 4(LRP4)は,Tomitaらが報告している同名の分子(現在の公称はcorin)とは異なる分子である。LRP4はLDL-receptorファミリーのメンバーの一つで,その完全長cDNAのクローニングと特性についての最初の報告は筆者らによってなされた1)。マウス,ラット,ヒトLRP4は1905アミノ酸からなる,type Ⅰ-1回膜貫通タンパク質である。細胞外領域にリガンド結合部位,C端側の細胞質領域にエンドサイトーシスに関わるコート小胞への集積シグナル(NPXYモチーフ),C末端にPDZドメイン結合配列(ESQV)を持つ。LRP4はこの配列を介してPSD-95,SAP97と結合し,シナプス後肥厚部(PSD)に局在している1)。カルモジュリンキナーゼⅡ(CaMKⅡ)により細胞質領域のSer1887,Ser1900がリン酸化され,後者のリン酸化によりPSD-95,SAP97との結合が阻害される1)。これらのことは,神経活動によってPSDのLRP4複合体相互作用が制御される可能性を示唆している。これまでに6種のリガンド,apoE2),F-spondin3),agrin4,5),Wise(表*1),Dickkopf1(表*1),Sclerostin(表*1)が同定されている。脳のLRP4はコレステロールの取り込み以外にも複数の機能に関係していると考えられる。
セロトニン2C受容体(HTR2C)
著者: 文東美紀 , 岩本和也 , 加藤忠史
ページ範囲:P.394 - P.396
セロトニン(5-hydroxytryptamine;5-HT)はトリプトファンから合成されるモノアミン神経伝達物質であり,生体内では主に胃腸管や血小板に存在し,脳組織内には約1%程度存在している。セロトニン受容体は14種類報告されているが,セロトニン2C受容体(HTR2C)はHTR2ファミリーに分類されている。HTR2ファミリーは,イノシトール三リン酸(IP3)とジアシルグリセロール(DG)をセカンドメッセンジャーとする,Gqタンパク質共役型の7回膜貫通型受容体である(図)。HTR2Cは中枢神経系にほぼ限局して発現しており,特に脈絡叢,線条体などに多く分布している。神経細胞内では主にシナプス後膜に局在しているが,いくつかの脳部位ではシナプス前膜にも局在が報告されている。受容体にセロトニンが結合すると,小胞体からのカルシウムイオンの遊離,プロテインキナーゼCの活性化を引き起こし,神経の脱分極や神経興奮,血管収縮が起きる。これらは様々な生理作用と結びつき,不安やうつなどの精神機能や睡眠障害,自発運動などに関与する。
2.トランスポーター
グルタミン酸トランスポーター
著者: 相田知海 , 田中光一
ページ範囲:P.398 - P.399
グルタミン酸は哺乳類中枢神経系における主要な興奮性神経伝達物質であり,記憶・学習などの脳高次機能に重要な役割を果たしている。しかし,その機能的な重要性の反面,過剰なグルタミン酸はグルタミン酸受容体の過剰な活性化により,神経細胞の傷害作用を持つ。これは様々な神経変性疾患に伴う神経細胞死の原因と考えられ,また近年では精神疾患への関与も明らかになりつつある。このため神経活動に伴ってプレシナプスから放出されたグルタミン酸は,グルタミン酸受容体に結合した後,アストロサイトおよびポストシナプスの細胞膜上のグルタミン酸トランスポーターにより迅速に細胞内に取り込まれ,細胞外濃度は低く保たれている。現在,哺乳類の中枢神経系にはGLAST(EAAT1),GLT1(EAAT2),EAAC1(EAAT3),EAAT4,EAAT5の5種類のグルタミン酸トランスポーターが知られる。GLAST,GLT1はアストロサイトに,EAAC1,EAAT4は神経細胞に,EAAT5は網膜に存在する。近年,グルタミン酸トランスポーター欠損マウスの解析,様々な精神神経疾患のゲノム解析から,グルタミン酸トランスポーターによる神経伝達制御の重要性と,その機能不全としての精神神経疾患が明らかになりつつある。
小胞性グルタミン酸トランスポーター
著者: 久野節二 , 伊奈鮎香 , 吉田さちね , 大桃秀樹 , 川野道宏
ページ範囲:P.400 - P.401
中枢神経におけるグルタミン酸作動系の全体像は,興奮性神経伝達という重要な機能性に反して,この10年でようやく明らかになったに過ぎない。その理由はグルタミン酸作動性ニューロンの決定的なマーカーがなかったことに尽きる。小脳顆粒細胞の研究による脳特異的無機リン酸トランスポーター(BNPI)の発見を端緒に,3種類の小胞性グルタミン酸トランスポーターサブタイプ(VGLUT1,VGLUT2,VGLUT3)が同定され,脳研究の最前線で解析されている。本稿では,最近のわれわれの知見を交え,VGLUTについて概説する。
ドパミントランスポーター
著者: 名取司保子 , 服部信孝
ページ範囲:P.402 - P.403
ドパミントランスポーター(DAT)について
細胞外ドパミンの制御に関連する機構としては,主にドパミン受容体と神経伝達物質の再取り込みを行う機能性蛋白質であるドパミントランスポーター(DAT),シナプス小胞モノアミントランスポーター(VMAT)がある。ドパミン受容体には5種類のサブタイプがあり,VMATは他のすべてのモノアミンを基質としているのに対し,DATのサブタイプはドパミンに対しての1種類のみである。そのため重要な役割を有する。
DATはドパミン神経にのみ存在する。特に黒質から線条体を含む大脳基底核に投射するDA神経線維にはDATが多数存在する。その一方,前頭前野皮質では腹側被蓋野に由来するドパミン神経終末には発現が極めて少なく,シナプス外に存在する。また,DATはコカイン,メチルフェニデートなどの覚醒剤の標的分子,あるいはMPP+,6-OHDAなどの神経毒の進入経路とされるほか,パーキンソン病の発症に関わりのある蛋白であるα-シヌクレインがDATを調節しているという報告もある。パーキンソン病の病理学的マーカーであるレビー小体においても,脳幹型ではDATのimmunoreactivitiesを認め,皮質型では認めないとされている。加えて,DAT欠損マウスはADHDのモデルマウスとしての性質を持つこともわかっており,DATは臨床,研究の面で実に様々な意義を担っている。
GABAトランスポーターの構造と機能
著者: 茂里康
ページ範囲:P.404 - P.405
GABAの概要
抑制性神経伝達は大きく分けて,GABA(gamma-aminobutyric acid,γ-アミノ酪酸)作動性,glycine作動性ニューロンに分けることができ,前者は広く中枢神経系に分布しているが,後者は脳幹や脊髄に局在している。
GABAはGABA作動性ニューロンを制御している抑制性神経伝達物質であり,ビタミンB6を補酵素とするglutamic acid decarboxylase(GAD;GAD65,GAD67)により,グルタミン酸を基質とした脱炭酸反応で生合成される。生合成されたGABAは小胞型GABAトランスポーター(vesicular GABA transporter;VGAT)を介してシナプス小胞により蓄積され,刺激により神経終末から放出される。放出されたGABAはイオンチャネル型GABA受容体,GTP結合タンパク質共役型GABA受容体を活性化し,Cl-チャネルの開口,ポストシナプスの内向き整流性のK+チャネルの開口,プレシナプスの膜電位依存性Ca2+チャネルの開口抑制,cAMPの産生阻害などを介して抑制性の神経伝達を行う。抑制性神経伝達機能を果たしたGABAはプレシナプス神経終末,あるいは周辺のアストロサイトの細胞膜上に存在するNa+/Cl-依存性のGABAトランスポーターにより細胞内に取り込まれる。取り込まれたGABAはGABAアミノ基転移酵素(GABA transaminase)とコハク酸セミアルデヒド脱水素酵素(succinic semialdehyde dehydrogenase)によりコハク酸に変換され,TCAサイクルに入る。
小胞型GABAトランスポーターVGAT
著者: 高山千利
ページ範囲:P.406 - P.407
概 要
小胞型GABAトランスポーターVGAT(vesicular GABA transporter)は,γ-アミノ酪酸(GABA)およびグリシンを細胞質からシナプス小胞内に移送,濃縮する分子である。抑制性伝達物質であるGABA,グリシン両方を移送するのでVIAAT(vesicular inhibitory amino acid transporter)とも呼ばれる。
GABAの放出が障害され(ニューロン内に過剰に蓄積),“shrinker”と呼ばれる行動異常を呈する線虫のミュータントUNC-47が知られていた。VGATはその原因遺伝子として,1997年に二つのグループから独立して報告された。
グリシントランスポーター(GlyT)
著者: 田辺光男
ページ範囲:P.408 - P.409
中枢神経系においてglycineはGABAと並んで重要な抑制性神経伝達物質である。GlycineはCl-チャネル一体型のstrychnine感受性glycine受容体に結合し,Cl-チャネルを開口することにより神経細胞を抑制する。さらに,1980年代後半にglycineがglutamateの共アゴニストとしてNMDA受容体を活性化する1)ことが示されて以来,興奮性および抑制性神経伝達の両面においてglycineが重要な役割を担っていることが広く認識されるようになった。細胞外のglycineはglycine transporter(以下GlyT)の働きにより制御されている。GlyTの機能に関する解明は近年大きく進んできており,GlyTをターゲットとした疾患治療薬も視野に入りつつある。本稿では,GlyTのサブタイプやその分布と機能,GlyT阻害薬の疾患治療薬への可能性について紹介したい。
グリシントランスポーター2(GlyT2)阻害薬の抗侵害作用
著者: 原幸治 , 佐多竹良
ページ範囲:P.410 - P.411
脊髄侵害受容伝達におけるグリシン作動性神経の役割
グリシンは脊髄の主要な抑制性神経伝達物質で,その役割には脊髄での疼痛閾値の調節がある。侵害性一次求心性ニューロンと二次ニューロンをシナプス前およびシナプス後で抑制する。さらに,グリシンは下行性疼痛抑制系にも含まれており,脊髄後角で直接二次ニューロンのグリシン受容体を活性化するか,抑制性介在ニューロンの働きを活性化させて侵害受容伝達を抑制していると考えられている。最近,組織損傷により産生されるプロスタグランジンE2がグリシン受容体α3サブユニットを抑制して痛覚過敏を引き起こすことが明らかになり,グリシン作動性神経は急性痛の閾値の調節のみならず慢性痛の発生過程にも非常に大きく関与していることがわかってきた。
3.チャネル
カルシウムチャネルの多様性:カルシウムチャネルサブユニットの多様な機能
著者: 籾山俊彦
ページ範囲:P.414 - P.415
電位依存性カルシウム(Ca2+)チャネルの中心機能は孔を形成するα1サブユニットが担い,そのチャネルの主たる生物物理学的および薬理学的特性を決定する。高閾値活性化(HVA)チャネルであるCaV1およびCaV2サブファミリーでは,α1サブユニットは通常,膜と結合して主に細胞外に位置するα2δサブユニットおよび細胞質にあるβサブユニットと組み合わされている。哺乳類では,α1サブユニットを規定する遺伝子が10種,βサブユニットを規定する遺伝子が4種,α2δサブユニットを規定する遺伝子が4種同定されている(表1)。チャネルは四つの相同ドメイン(Ⅰ-Ⅳ)で構成されて,各ドメインは六つのセグメント(S1-S6)から成り,S4セグメントが電位センサーとして働く。βサブユニットはα1サブユニットと相互作用をすることにより,チャネル特性を調節している。α2とδサブユニットは一つのmRNAから翻訳され,S-S結合により結合される。α2サブユニットは細胞外に存在する糖タンパク質であり,βサブユニットと協調してCaV1およびCaV2チャネル分子の細胞膜への移行や安定性に関与している。δサブユニットは膜を貫通しており,電位依存性の活性化や不活性化の調節をしている。
γサブユニットは骨格筋のL型チャネルに存在し,四つの膜貫通部分をもつ糖タンパク質である。しかしながら,このタンパク(γ1)の正確な役割は不明であり,最近クローン化された相同体であるγ2-γ8サブユニットは,特にカルシウムチャネルサブユニットとしては機能していないと考えられる。実際,γ2-γ8サブユニットはAMPA型グルタミン酸受容体の移行に関与することが明らかになった。
GIRKチャネル
著者: 小林徹 , 池田和隆
ページ範囲:P.416 - P.417
神経伝達物質,受容体,イオンチャネルはシナプス伝達,神経細胞内へのシグナル伝達に重要な分子であり,神経系の生理機能に大きな役割を果たしている。それらの中で,G蛋白質活性型内向き整流性カリウムチャネル(G protein-activated inwardly rectifying potassium channel;GIRKあるいはKir3とも記される)は,神経伝達物質,G蛋白質共役型受容体(GPCR)と機能的な関係を持ち,神経細胞の興奮性をダイナミックに制御する重要なイオンチャネルである。1993年,久保らによってGIRK1(Kir3.1)のcDNAが単離されてから,分子レベルからチャネルの多様性,機能,分布,構造などの理解が飛躍的に進展してきている。本稿では,GIRKチャネルの機能について概説し,そのシナプスにおける役割について述べる。
シナプスにおけるVR1(TRPV1)
著者: 横山徹 , 上田陽一
ページ範囲:P.418 - P.419
TRPとは
TRP(transient receptor potential)チャネルは,1989年ショウジョウバエの眼光受容応答変異株の原因遺伝子として発見された
TRPチャネルは直接的または間接的に種々の生理活性物質により活性化されることで,主に感覚系における“センサー”として働くことが注目されているほか,自身のイオン流入を細胞内シグナルとして下流に効果的に伝えるシグナル複合体の足場として働くとも考えられている。遺伝子解析の結果,多くのTRPホモログが同定されており,TRPチャネルスーパーファミリーが構成されている。現在,TRP vanilloid family(TRPV)にはTRPV1からTRPV6まで存在することがわかっている2)。
4.Gタンパク
匂い受容器に発現するGαq/Gα11
著者: 岩佐達郎
ページ範囲:P.422 - P.423
化学物質に対する感覚は「味;味覚」と「匂い;嗅覚」とが代表的なものであるが,「フェロモン」と呼ばれる化学物質は「匂い」とは異なり,鋤鼻器と呼ばれる受容器にある受容体に受容される。「匂い」の感覚受容では,嗅覚受容器ニューロンに発現する特異的なGPCR,嗅覚受容体が匂い分子を受容し,それに続いて,Golf,タイプⅢアデニル酸シクラーゼ(ACⅢ)が活性化され,産生されたcAMPによってヌクレオチド依存性チャネルが開口し,嗅覚受容器ニューロンの脱分極性応答を引き起こすことが明らかになっている。しかし,一部にはcAMPに応答せず,イノシトール1,4,5トリスリン酸(IP3)に応答する嗅細胞の存在することも報告されている。また,フェロモン受容時のセカンドメッセンジャーとして,cAMPよりはIP3が作用しており,Gαi,Gαo,Gαq/Gα11を介するシグナル伝達系が関与していると報告されている。
魚類においてはこのような匂い受容器と鋤鼻受容器は解剖学的には分かれておらず,両生類以上で初めて分離して観察される。両生類アカハライモリ(
Gαolfの構造と機能
著者: 高井佳基 , 東原和成
ページ範囲:P.424 - P.425
外界の匂い情報を感知することは,生物が生存していく上で必須の能力である。われわれは数十万種ともいわれる外界の匂いの中から,食べ物や仲間の匂い,外敵や有毒ガスといった危険な匂いなどを識別する能力を獲得してきた。脊椎動物において,匂い情報はGタンパク質共役型受容体(GPCR)である嗅覚受容体(OR)によって受容され,嗅神経細胞の繊毛に局在するGタンパク質αサブユニットのGαolf(嗅覚olfactoryのolfをとった)を介したシグナル伝達により高次脳中枢へと伝えられていく。本稿ではGαolfの機能を中心に述べていく。
Rab3Aと神経可塑性
著者: 坂根亜由子 , 佐々木卓也
ページ範囲:P.426 - P.427
神経細胞間では,電気的信号が神経終末に到達するとプレシナプスから神経伝達物質がシナプス間隙に放出され,それらがポストシナプス膜にある受容体と結合することによって情報の伝達が行われている。これら個々のシナプスでの情報伝達の微調整(チューニング)が,神経可塑性に代表される高次神経機能の制御において非常に重要な役割を果たしている。そのチューニングの本体として,NMDAやAMPA受容体などの神経伝達物質の受容体をのせた小胞のポストシナプス膜への輸送を制御することにより,膜上の受容体の数を調節する機構が注目されている。さらに,今一つの重要な調節機構として,神経伝達物質を含んだシナプス小胞のプレシナプス膜への輸送の制御によって神経伝達物質の放出の量および効率を変化させる機構がある。
synGAPアイソフォームの機能分化
著者: 鈴木龍雄
ページ範囲:P.428 - P.429
synaptic Ras-GTPase activating protein(synGAP,別名p135-SynGAP)は,分子量約130kDaで,中枢神経系のシナプス後肥厚部(PSD)画分に多量存在する。PSD内にはカルモジュリンキナーゼⅡ(CaMKⅡ)の主要基質として130kDa領域に分布するタンパク質群の存在が知られていたが,その本体は長い間不明であった。1998年,HuganirおよびKennedyの2グループによってsynGAPが最初に報告された1,2)。
シナプス可塑性におけるRafとRafキナーゼ抑制蛋白の役割
著者: 田中(山本)敬子 , 黒田真也
ページ範囲:P.430 - P.431
シナプスにおける神経伝達効率がある種の刺激の後に長期的に増加,減少するシナプス可塑性は,脳内の様々なシナプスで観察され,古くからそのメカニズムに関する研究は積極的に進められてきた。これまでに,抑制剤や遺伝子操作を用いた研究により,それぞれのシナプス可塑性に関与する数多くのシグナル分子が明らかになっている。
さまざまなシナプス可塑性においてERKの活性が必要であることが知られている一方で,その上流分子であるRafや,Rafの機能を恒常的に抑制するRafキナーゼ抑制蛋白(RKIP)のシナプス可塑性への関与は,あまり検討されていない。しかし現在,単一の分子に着目するだけではなく,シナプス可塑性に関与する分子の相互関係,あるいはこれらの分子やそのシグナルネットワークがどのようにシナプス可塑性の特徴を引き出すのか,といったダイナミックな課題が注目されつつあり,その一例としてRafやRKIPを含むポジティブフィードバック機構の重要性が提唱されてきている。
5.ホスホリパーゼ
RedoxシグナリングとPLCの活性化
著者: 吉岡亨
ページ範囲:P.434 - P.435
PLCの従来型の研究は1990年代にほぼ終わりを告げ,2000年代にはPLC→PKCという一連の細胞内シグナリングの研究は“古典的”とさえ呼ばれるようになった。ところが最近,われわれは「概日リズムの形成」にPLCが驚くほど重要な役割を果たしていることを見出した。
この小論においては,睡眠という未解決の古典的問題について,PLCを中心とした新しいモデルを提案したいと考えている。ここでのコンセプトは“活性酸素によるPLCの活性化”である。
PLA2-cPLA2αの機能を中心に-
著者: 魚住尚紀
ページ範囲:P.436 - P.437
ホスホリパーゼA2(PLA2)はグリセロリン脂質
6.セカンドメッセンジャー
シナプスにおけるCaシグナリング
著者: 工藤佳久
ページ範囲:P.440 - P.441
イオン型のCaの反応性は非常に高く,ダイナミックな生命現象の発現のためのシグナル分子として広く利用されている。この項ではシナプスとその周辺におけるCaシグナリングの様子を概説する。
IP3-IP3レセプター
著者: 御子柴克彦
ページ範囲:P.442 - P.443
細胞外より細胞が刺激を受けると,その刺激を感知するGタンパク質と共役するレセプターを活性化する経路と,チロシンキナーゼ活性と共役する経路によりホスホリパーゼC(phospholipase C;PLC)が活性化され,細胞膜のイノシトール二リン酸(phosphatidylinositol-4,5-bisphosphate;PIP2)が分解されてジアシルグリセロールとIP3が産生される。IP3は,ベーリッジらによりCa2+を細胞内のミトコンドリア以外の貯蔵庫から放出することが発表された。しかし,そのCa2+放出場所は不明であり,IP3レセプターがIP3結合タンパク質かチャネルか,またその局在も不明であった。
リアノジン受容体
著者: 呉林なごみ , 村山尚
ページ範囲:P.444 - P.445
リアノジン受容体(Ryanodine receptor;RyR)は細胞内Ca2+貯蔵部位である小胞体に存在するCa2+遊離チャネルで,細胞内Ca2+濃度調節に寄与する1)。植物アルカロイドのリアノジンが結合することから命名され,もう一つのCa2+遊離チャネルのIP3受容体に比べ,筋や神経など興奮性細胞に多い。RyRには3種類のアイソフォームが存在する。RyR1は骨格筋の,RyR2は心筋の興奮収縮連関において中心的な役割をしている。中枢ではRyR1は小脳のプルキンエ細胞,線条体,海馬に多く存在する。RyR2は中枢に最も多いアイソフォームで,特に海馬の歯状回に顕著である。RyR3は中枢では海馬CA1錐体細胞,大脳基底核,嗅球に多くみられる1-3)。
アラキドン酸
著者: 魚住尚紀
ページ範囲:P.446 - P.447
アラキドン酸(20:4,ω-6)は炭素数20の多価不飽和脂肪酸で,5,8,11,14位の炭素に各々二重結合をもつ。アラキドン酸は様々な生理活性脂質の共通の前駆体として重要である。ヒトは生体内でアラキドン酸を完全合成することができず,食事成分からの摂取,食事由来の炭素数18,ω-6系不飽和脂肪酸(リノール酸,γ-リノレン酸など)からの半合成により充足している。ω-3系不飽和脂肪酸も同様,EPA(20:5;炭素数20,二重結合5),DHA(22:6;炭素数22,二重結合5)は必須脂肪酸α-リノレン酸からの代謝と食事からの摂取が必要である。このようにして摂取,合成された多価不飽和脂肪酸は,細胞内ではリン脂質
脂質性二次伝達物質ジアシルグリセロールと代謝酵素DGキナーゼ
著者: 八月朔日泰和 , 後藤薫
ページ範囲:P.448 - P.450
ジアシルグリセロール(DG)分子群
ジアシルグリセロール(DG)はあらゆる種類の細胞において,様々な構造脂質の合成過程におけるハブ的な中間代謝産物としての位置を占める一方,細胞内情報伝達機構において膜リン脂質の加水分解により産生される二次メッセンジャー分子として名高い。DGはグリセロール骨格のsn-1およびsn-2位に二つの脂肪酸がアシル結合したものであるが,これらの脂肪酸組成についてはあまり注目されていないように思われる。動物細胞における膜リン脂質は通常,炭素数14-22個の脂肪酸からなり,sn-1位には飽和脂肪酸,そしてsn-2位には不飽和脂肪酸を持つものが多い。さらにsn-2位脂肪酸の不飽和度は,1価不飽和脂肪酸であるオレイン酸18:1,4価のアラキドン酸20:4さらに6価のドコサヘキサエン酸22:6まで様々であるが,脳にはとりわけアラキドン酸とドコサヘキサエン酸の多価不飽和脂肪酸が多い。すなわち,通常DGと呼称されるものは,含有脂肪酸の炭素数および不飽和度の組合せにより生じる数十種の異なる分子群の総称であることがわかる。
7.キナーゼ/ホスファターゼ
PKA
著者: 小倉明彦 , 冨永恵子
ページ範囲:P.452 - P.453
シナプス調節における環状AMP(cAMP)とcAMP依存性タンパク質キナーゼ(PKA)の役割については,長い研究の歴史があり,それだけで多分冊の叢書を編纂できるほどの知見がある。この小稿で紹介できるのはそのごく一部にすぎないことをお断りしておく。
表に,代表的なシナプス調節現象として多くの研究が蓄積している,アメフラシ腹部神経節の感覚ニューロン-運動ニューロン間シナプスでの増強と,哺乳類海馬のCA3錐体ニューロン-CA1錐体ニューロン間シナプスでの長期増強(LTP)について知見を要約した。これについて解説を加える形で論を進めたい。以下丸囲み数字は表中の数字(欄)と対応する。
PKC
著者: 江川遼 , 八尾寛
ページ範囲:P.454 - P.455
プロテインキナーゼC(PKC)はセリン/スレオニンキナーゼの一種であり,標的タンパク質をリン酸化することでその機能を調節する働きをもつ。近年,記憶・学習のメカニズムにPKCが深く関与していることが示されてきており,脳研究分野の内外から注目が集まっている。本稿では,筆者らが行ってきた海馬苔状線維終末におけるPKC依存的エキソサイトーシス調節機構の研究を中心に,シナプス可塑性に対するPKCの役割について概説する。
cGMP-dependent protein kinase(PKG)
著者: 遠藤昌吾
ページ範囲:P.456 - P.457
cGMP系は心臓血管系や消化器系が主要な研究対象であった。cGMP系およびその下流因子に関与する分子群は限局して存在しており,全身に分布するcAMP系(PKAの項452ページ)に比べてcGMP系の生理的役割の研究は遅れている1)。
CaMK Ⅱによるシナプスの構造と機能調節
著者: 川口真也 , 平野丈夫
ページ範囲:P.458 - P.459
リン酸化酵素CaMKⅡは,脳のタンパク質の2%を超えるくらい多量に発現しており,中枢神経系の様々な部位でシナプス可塑性に重要な役割を担う。これまでαCaMKⅡの役割が着目されてきたが,近年βCaMKⅡもシナプスの機能および構造制御に重要であることがわかってきた。
シナプスにおけるERKシグナリングの役割
著者: 佐藤泰司 , 遠藤昌吾
ページ範囲:P.460 - P.461
ERK経路
ERK(Extracellular signal-regulated kinase)は細胞外からの刺激を細胞膜を隔てた細胞質や核に伝達するMAPキナーゼサブファミリーの一つであり,古典的MAPキナーゼとも呼ばれる。様々な組織において,ERK経路は細胞増殖や細胞分化誘導に中心的な役割を果たしている。活性化ERKは核に移行し,転写因子などを制御して遺伝子の発現パターンを変化させる。たとえば細胞増殖因子の細胞膜受容体への結合は細胞内ERK経路の活性化を誘導し,活性化ERKにより細胞増殖に必要なG1サイクリンなどの遺伝子転写が開始される。また,活性化ERKは細胞質において様々なタンパク質のリン酸化を介して,多彩な機能を果たしている。ERKの完全な活性化には,アミノ酸1個を隔てたスレオニン(Thr)とチロシン(Tyr)両方のアミノ酸残基がリン酸化されることが必要で,哺乳類では,MEKと呼ばれるMAPキナーゼキナーゼがこれら両アミノ酸のリン酸化を担う(MEKの項462ページ参照)。MEKはRaf(Raf-1,B-Rafなど)と呼ばれるMAPキナーゼキナーゼキナーゼによるリン酸化で活性化される(図)。
神経系におけるMEK1/2の機能
著者: 佐藤泰司 , 遠藤昌吾
ページ範囲:P.462 - P.463
MEK(MAPK/ERK kinase)1/2はERK1/2のみを基質とするMAPキナーゼキナーゼである。dual specificityキナーゼであるMEK1/2は,ERK1/2のPループ上のThrとTyrの両アミノ酸残基をリン酸化して活性化する。このMEKの特異な性質は,基質ERK1/2が他のキナーゼにより活性化される危険性を回避し,MEK-ERK経路の特異性を高めている。MEK1とMEK2は80%のアミノ酸相同性を持つ。MEK1遺伝子欠損マウスは胎盤の血管形成異常により胎生致死であるが1),MEK2遺伝子欠損マウスには大きな異常は観察されない。そのため,MEK1とMEK2の生理機能が異なる可能性が示唆されている。炭疽菌が産生する毒素(プロテアーゼ)は,MEK1/2のアミノ末端側に位置するERK1/2との結合領域内を切断する。このためMEK1/2とERK1/2との結合が阻害され,MEK1/2-ERK1/2経路が遮断される。炭疽菌は組織の出血性壊死を引き起こし,病巣を炭色に変色させるが,これが炭疽病の病名の由来である。
Protein phosphatase(PP)1と2A
著者: 遠藤昌吾
ページ範囲:P.464 - P.465
可逆的なタンパク質のリン酸化は,生体反応にとってきわめて重要である。キナーゼによるリン酸化が様々な場面で強調されるが,脱リン酸化を司るホスファターゼも精緻な細胞反応に必須である1)。特に神経可塑性,神経細胞の興奮性などは定常状態に加えて増加-減少の両方向に制御される。双方向性の確保にはキナーゼに加えてホスファターゼが重要である。428種類のセリン/スレオニンキナーゼ(protein Ser/Thr kinase)がヒトの遺伝子上に同定されたのに対して,セリン/スレオニンホスファターゼ(protein Ser/Thr phosphatase;PP)はわずか30種類である1)。多くのPPホロ酵素は各種の制御サブユニット(Regulatory subunit,Rサブユニット)と結合して複合体として存在する。これらの複合体がPPに多様な生理機能を付与し,多数のキナーゼに対応している1)。
Calcineurinによるシナプスの多彩な制御
著者: 川口真也 , 平野丈夫
ページ範囲:P.466 - P.467
細胞内Ca2+濃度上昇により活性化される脱リン酸化酵素Calcineurin(PP2Bとも呼ばれる)は脳に多量に発現しており,中枢神経系の様々な部位でシナプス可塑性を調節する。近年新たに,Calcineurinが転写因子を介してシナプスを制御することも明らかになり,また統合失調症への関与も示唆され,その重要性が再認識されている。
Ephによるシナプスの形成と可塑性の制御機構
著者: 新谷隆史 , 野田昌晴
ページ範囲:P.468 - P.469
受容体型プロテインチロシンキナーゼ(RPTK)の一つであるEphは,これまで主に軸索のナビゲーションにおいて機能する分子として研究されてきた。しかしながら,最近になって,Ephとそのリガンドであるephrinがシナプスの形成と成熟,さらに可塑性においても重要な役割を果たしていることが明らかになってきた。
Ephは14のメンバーから成り,RPTKの中で最大のファミリーを形成している。他のRPTKには見られない特徴が,リガンド分子のephrinが細胞膜に結合した状態で存在することである。このため,Eph-ephrin系は細胞同士が接触する際に機能する情報伝達系といえる。EphとephrinはともにAタイプとBタイプに大別され,例外はあるが同じタイプ同士のephrinとEphが結合するという規則性がある。Ephは樹状突起およびスパインに多く分布し,一方ephrinが前シナプスやアストロサイトに分布することから,シナプスの形成と機能発現における両者の相互作用の生理的意義について解析が行われた。
Cdk5-シナプスにおけるネガティブレギュレーター
著者: 細川智永 , 久永真市
ページ範囲:P.470 - P.471
Cyclin-dependent kinase 5(Cdk5)は神経細胞で高い活性を示すプロリン指向性セリンスレオニンキナーゼである。調節サブユニットであるp35もしくはp39との結合により活性化する。Cdk5-p35は脳形成期における神経細胞の移動に,またp35がカルパインによって限定分解されたp25との複合体(Cdk5-p25)はアルツハイマー病などの神経変性疾患に関わることが知られている。成体脳ではシナプス領域に局在し,シナプス前部では神経伝達物質の分泌・回収,シナプス後部ではスパインの形態やシグナル伝達など,様々なシナプス活動を制御している。
8.プロスタグランジン
ドパミン系と興奮性シナプス可塑性におけるプロスタグランジンE2とその受容体の役割
著者: 古屋敷智之 , 成宮周
ページ範囲:P.474 - P.477
プロスタグランジン(PG)E2は生理活性脂質の一種であり,炎症・免疫など多様な機能を持つ。PGE2はアラキドン酸からシクロオキシゲナーゼ(COX)とPGE合成酵素を介して生成され,EP1,EP2,EP3,EP4と呼ばれるG蛋白共役型受容体に結合して作用を発揮する1)。COXが非ステロイド系抗炎症薬の標的であること,PGE2の脳内投与が疾病時の発熱や内分泌応答を模倣することから,中枢神経系におけるPGE2の機能は主に疾病応答について解析されてきた。
近年EP受容体欠損マウスの解析から,心理ストレス下における衝動行動の抑制や麻薬であるコカインに対する応答性にEP1が関与することが示された1-4)。このEP1作用にはドパミン系の制御が関与していることが示唆されている。また,海馬依存的な記憶学習や,その細胞生物学的基盤とされるシナプス伝達効率の長期可塑性におけるEP2の関与も示されている5-10)。本総説では,これら生理的な中枢神経系機能におけるPGE2とその受容体の役割について最新の知見を紹介する。
PGD2
著者: 魚住尚紀
ページ範囲:P.478 - P.479
プロスタグランジン(PG)D2は,アラキドン酸より生合成される生理活性脂質の一つで,シクロオキシゲナーゼ(COX),PGD合成酵素がその過程を触媒する。哺乳類は進化的に別起源と考えられる2種類のPGD合成酵素を持つ。一つはヒト脳脊髄液中の主要タンパク質βトレースとして知られ,主として神経系に発現するリポカリン型PGD合成酵素(L-PGDS),もう一つは血球系の細胞に多く発現し,グルタチオン転移酵素ファミリーに属する造血器型PGD合成酵素(H-PGDS)である。
PGD2は中枢神経系の主要PGであり,生理的には睡眠の誘発,痛覚反応の調節,体温の低下,黄体ホルモン分泌の抑制などの作用を示す。また,末梢においては血管拡張,気管支収縮,血小板凝集阻害の作用を持ち,PGD2はアレルギー,炎症のメディエータとしても機能する。DP1,DP2(CRTH2とも呼ばれる)の2種類のGタンパク質共役型受容体が知られ,これらを介して多彩なPGD2の生理作用が発揮されている。また,PGD2は非酵素的にJ2型シクロペンテノンPG類に変換される。15-deoxy-Δ12,14-PGJ2はDP2受容体と核内受容体PPARγに結合親和性を有する。15-deoxy-Δ12,14-PGJ2は抗炎症や,PPARγを介した脂肪細胞分化に関わることが知られている。
COX-1/2
著者: 魚住尚紀
ページ範囲:P.480 - P.481
シクロオキシゲナーゼ(COX)はアラキドン酸を基質として2段階の反応を触媒し,プロスタグランジンH2(PGH2)を産生する酵素で,二つのアイソザイムCOX-1とCOX-2がある。COX-2は炎症などの病理的状態で強く発現誘導される遺伝子として発見され,一般にCOX-1は構成型,COX-2は誘導型と理解される。中枢神経系では海馬や大脳皮質神経細胞で定常的なCOX-2の発現が認められている。PGH2は各種のプロスタグランジン(PG)合成酵素の共通の基質であるから,COXは生体におけるPG産生総量を規定する。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)はCOXを阻害して,疼痛や発熱といった炎症症状を顕著に減弱させることから,PGは炎症メディエーターの一つに分類される。PGの生体における作用は炎症にとどまらない。定常的に産生されるPGは胃粘膜保護,腎機能,血小板凝集の制御,平滑筋への作用など,末梢における生理的機能や恒常性に重要な役割を果たしている。COX-1はこうした定常的PG産生により強く貢献している。
9.ニューロペプチド
小脳とCRH
著者: 宮田麻理子
ページ範囲:P.484 - P.485
コルチコトロピン放出ホルモン(CRHもしくはCRF:Corticotropin-Releaseing Hormone or Factor)は41個のアミノ酸からなり,視床下部ホルモンの一種として視床下部-下垂体-副腎皮質系(HPA axis)に属し,ACTHの基礎分泌の調節とストレス応答による分泌を直接担うものとして発見された。しかしながら近年では,CRHがHPA axisとは独立して中枢神経系・末梢神経系の各場所において様々な働きを担っていることが明らかになりつつある。中枢神経系ではシナプス伝達を修飾したり,シナプス可塑性に関与していることが近年報告されている。
Cbln1(セレベリン)
著者: 松田恵子 , 柚﨑通介
ページ範囲:P.486 - P.487
セレベリンは小脳プルキンエ細胞に特異的な16アミノ酸からなるペプチドとして20年以上も前に発見された。しかし,セレベリンペプチドの前駆体であると考えられていたプレセレベリンそのものが小脳顆粒細胞から分泌され,顆粒細胞の軸索(平行線維;PF)とプルキンエ細胞(PC)の間のシナプス形成と機能を制御することが近年明らかになった。そこで混同を避けるためにプレセレベリンのことをCbln1と呼ぶこととなった。Cbln1の類縁遺伝子は他の脳部位においても発現していることから,Cbln1研究の進展は新しいシナプス制御分子群の解明に繋がることが期待されている。
Angiotensin Ⅱと認知機能
著者: 茂木正樹 , 堀内正嗣
ページ範囲:P.488 - P.489
脳内レニン-アンジオテンシン(RA)系は,中枢性の血圧上昇や飲水行動の誘導などのホルモン様作用だけでなく,組織RA系として神経細胞の分化に直接影響を与えたり,脳血管障害後に炎症・酸化ストレスを惹起して間接的に脳障害を誘導したりするなど,脳神経における臓器障害にも重要な働きを持つことがわかってきた。RA系のコンポーネントであるアンジオテンシノーゲンやレニン,アンジオテンシン変換酵素やアミノペプチダーゼA,Nなどの酵素は全て脳内で合成されることや,AT1,AT2,AT4などの主要な受容体も脳内で局在することが報告されていることから,脳内でRA系の主要な作用物質であるアンジオテンシン(Ang)Ⅱが産生され,循環血液中のAngⅡとは独立して神経系に影響を与えていることが示唆される。超高齢社会に突入した本邦では,高齢者の生活の質の低下を防ぐために認知症に対する対策が急務である。RA系の抑制薬は広く降圧剤として使われており,認知機能への治療にも繋がる可能性がある。認知機能に関連するAngⅡの働きを概説する。
10.スカフォールドタンパク
シナプス局在から見えるPSD-95ファミリーの機能多様性
著者: 土井知子
ページ範囲:P.492 - P.493
膜会合性グアニレートキナーゼファミリー(MAGUK)に属するPSD-95サブファミリーは,哺乳類ではPSD-95,PSD-93,SAP102,SAP97からなり,興奮性シナプス後肥厚(Postsynaptic density;PSD)に局在する代表的な足場タンパク質である。これら分子は,PSDにおいてグルタミン酸受容体をはじめ多数の受容体やシグナル分子と複合体を形成して,受容体が発する情報伝達を調節している。PSD-95ファミリーの4分子は,N末側に三つのPDZドメイン(PDZ1,PDZ2,PDZ3),C末側にSH3/GKドメインという同一の二次構造を持ち,タンパク質相互作用に関わるそれぞれのドメインは非常に高い相同性を持っている。それにもかかわらず,これら4分子のシナプス局在性やシナプスの情報伝達調節における役割は異なっていることを示唆する報告が蓄積してきている。
PSDのNMDA受容体(NMDAR)複合体をマウスとハエで比較すると,ハエのPSD-95ファミリーはDlg分子1種類しかなく,またマウスのNMDARサブユニットのNR2A,2B,2C,2Dの4種類に対しても,ハエではNR2分子の1種類のみである。顕著な違いは下流のシグナル分子の種類ではなく,受容体と直下の足場タンパク質の多様化である。これは,ハエからマウスへの進化に伴う神経細胞の情報伝達機構の複雑化,脳機能の高次化にとって,PSD-95ファミリーや受容体分子の多様化が重要な役割を果たしていることを示唆している。
S-SCAM/MAGI2
著者: 畑裕
ページ範囲:P.494 - P.495
グアニル酸キナーゼ(GK)ドメインをもつ膜裏打ち蛋白はmembrane-associated guanylate kinase(MAGUK)と総称される。多くのMAGUKではGKドメインはC末端にあるが,N末端にGKドメインをもつinverted typeのMAGUKがヒト3番,7番,1番染色体上にコードされ,MAGUK with inverted orientation(MAGI)1,2,3と呼称されている。MAGI2は断片配列がatrophin-1結合候補分子として報告され,引き続き全長がラット脳の興奮性シナプス裏打ち蛋白SAPAP/GKAPの結合分子として同定され,synaptic scaffolding molecule(S-SCAM)と命名された。マウスではactivin受容体結合分子ARIP1として報告された。MAGI1,MAGI3が広い臓器分布を示すのに対して,S-SCAMはほぼ神経細胞特異的と見られるが,腎臓糸球体スリット膜や腸管上皮に局在するという報告もある。腎臓糸球体スリット膜に関する報告はMAGI1との混同の可能性が除外できない。線虫,ショウジョウバエでは,それぞれ一つのみMAGIがあり,magi-1とMagi/Imaと呼ばれている。線虫のmagi-1には「1」の番号が割り振られているが,後述のように神経細胞にも発現しているので,哺乳動物のMAGI1に特異的に対応しているわけではない。S-SCAMには少なくとも三つのsplicing variants(S-SCAMα,β,γ)がある。
CASK
著者: 畑裕
ページ範囲:P.496 - P.497
CASKは神経シナプスの接着分子neurexin結合分子として見出された細胞膜裏打ち蛋白で,guanylate kinase(GK)ドメインをもち,membrane-associated guanylate kinase(MAGUK)のひとつである。神経シナプスでは前,後シナプスの双方に局在する。神経細胞のみならず上皮細胞にも発現している。細胞核にも分布して,遺伝子転写を制御する機能ももつ。腎臓糸球体スリット膜や,内耳有毛細胞のciliaなど特殊な部位での発現も確認されている。ヒト,マウスの遺伝子はX染色体上にコードされている。線虫ホモログlin-2は陰門形成の解析から見出された。ショジョウバエのホモログはCaki/Camgukと命名されている。
軸索に特異的なスペクトリン細胞膜骨格の機能
著者: 駒田雅之
ページ範囲:P.498 - P.499
スペクトリン細胞膜骨格は,α-スペクトリン2分子とβ-スペクトリン2分子からなるヘテロ4量体を基本ユニットとする。このユニットがアクチン繊維や細胞膜裏打ちタンパク質アンキリンなどと結合し,細胞膜の内側に張り付いた網目状の膜骨格を形成する(図A)。高等動物には2種類のα-スペクトリン(Ⅰ,Ⅱ)と5種類のβ-スペクトリン(Ⅰ~Ⅴ),そして3種類のアンキリン(R,B,G)が存在し,それぞれが様々な細胞で細胞膜骨格を構築している。軸索起始部は神経細胞の細胞体から伸びた軸索の付け根の部分であり,ランビエ絞輪は有髄神経の軸索を覆うミエリン鞘とミエリン鞘の途切れた間隙の部分である。本稿では,これらの領域に特異的なスペクトリン膜骨格の多彩な機能について述べる。
TANC1:スパインサイズ制御系との関連
著者: 鈴木龍雄
ページ範囲:P.500 - P.501
新規のスカッフォールド/アダプター分子,TANC1
筆者らは新規のシナプス後肥厚部(PSD)タンパク質を発見するために,C末にPDZドメイン結合モチーフを持つタンパク質をデータベース検索し,KIAA1728に着目して研究を進めた。研究開始当初,KIAA1728の配列は5'コーディング配列を欠いていたので,ラットから完全長cDNAをクローニングし(2002年),コードされているタンパク質分子を,分子内に含まれる三つのtetratricopeptideリピート(TPR),10個のankyrinリピートおよび1個のコイルドコイル構造に基づき,TANC(a protein containing TRR,ankyrin repeat and coiled-coil)と命名した1)。その後,TANC1となった。TANC1は分子構造からショウジョウバエの筋肉分化に関与するRolling pebbles遺伝子のオルソログである。mRNAは脳を含むいろいろな組織で発現している。ラット脳内では小脳と海馬に高発現しているが,大脳皮質での発現は低い(図)。ラット前脳では生直後から発現しているが,成獣でやや発現が増加する。mRNAは培養神経細胞の樹状突起にも局在している。
Shank
著者: 林真理子 , 林康紀
ページ範囲:P.502 - P.504
Shank(SH3 and multiple ankyrin repeat domains protein)[別名:ProSAP(Proline-rich synapse-associated protein)/CortBP(Cortactin-binding protein)/Somatostatin receptor-interacting protein(SSTRIP)/GKAP/SAPAP-interacting protein/SPANK/Synamon]は,多くの蛋白質と相互作用する2000個以上のアミノ酸からなる巨大な足場蛋白質である1-3)。
11.細胞骨格タンパク
Actin
著者: 河西春郎 , 野口潤
ページ範囲:P.506 - P.507
代表的な細胞骨格蛋白であるactinは,非筋細胞でも総蛋白質の10-15%に及ぶ。Actinモノマー(G-actin,41 kD)は重合してactin繊維(F-actin)を作るが,この繊維は短く固く,細胞の微細形態を作る針金となる。さらに,actin繊維はプラス端で重合を,マイナス端で脱重合を繰り返しており,ラッチ機構により膜を押す力を発生し,この力が細胞運動に使われる。Actinの重合状態を調節するのがactin結合蛋白質である。Actinの機能は,actin繊維やactin結合蛋白質,細胞膜や細胞内器官との複雑な相互作用を通して発現する。こうして,actin自身はどの細胞にもあるが,細胞接着,遊走やシナプス可塑性のように,各細胞に固有の機能を担うことになる。この短い総説では大脳錐体細胞樹状突起の興奮性シナプスの後部であるスパインを例にとり,actin調節の解明がどこまで進んでいるのか解説を試みる。
Myosin
著者: 持田澄子
ページ範囲:P.508 - P.509
シナプスで機能するMyosinの形態
Actinフィラメントをレールとするモーター分子として機能するMyosinファミリーは18クラスからなる。その中でMyosinⅠ,Ⅱ,Ⅴ,Ⅵがシナプスで機能することが確認されている(図A)。MyosinⅠ(~120kDa)は1量体でActinフィラメントに結合する。MyosinⅡ(~220kDa)はMyosin軽鎖が結合する二つのIQモチーフ頸部(レバーアーム)とモータードメインからなる頭部と,もう1分子のMyosin重鎖とcoiled-coil結合した重鎖の尾部からなる2量体でMyosinフィラメントを形成する。MyosinⅤ(180~215kDa)はMyosin軽鎖またはカルモジュリンが結合する六つのIQモチーフ頸部とモータードメインからなる頭部と尾部の球状ドメインでcargo(カーゴ)に結合する重鎖の2量体からなる。MyosinⅥ(140kDa)はカルモジュリンが結合する一つのIQモチーフ頸部とモータードメインからなる頭部と尾部の球状ドメインでカーゴに結合する重鎖の2量体からなる。
脳では未開拓のmultivalent scaffolding protein, p55
著者: 鈴木龍雄
ページ範囲:P.510 - P.511
シナプス後肥厚部(postsynaptic density;PSD)はその骨格構造の構築分子として様々なmembrane-associated guanylate kinase(MAGuK)タンパク質を持つ。筆者らは,PSDを構築する新たなMAGuKタンパク質p55(別名membrane protein,palmitoylated 1[MPP1])を同定した1)。p55タンパク質は赤血球ではよく知られているタンパク質であるが,脳やシナプスでは研究が全くなされてこなかった。
12.脂質ラフト関連
BAALC 1-6-8 proteinはカルモジュリンキナーゼⅡα subunitのターゲティングに関与するか
著者: 鈴木龍雄
ページ範囲:P.514 - P.515
Brain and acute leukemia,cytoplasmic(BAALC)遺伝子は,急性骨髄性白血病(AML)患者の遺伝子解析中に発見された。BAALCは神経外胚葉由来の組織や造血系の前駆細胞,急性白血病細胞にのみ発現することが知られている特異な分子である1)。また,ヒトの造血系全区細胞のマーカーとして知られる1,2)。このタンパク質はほ乳類とゼブラフィッシュで高度に保存されているが,下等動物では見られない。急性白血病での発現は悪性度の指標とされ,臨床的には予後の悪性度と相関がある。タンパク質化学的な性質については発見以来,全く研究されておらず,構造上にも特徴的なドメインやモチーフも知られていなかった。脳のBAALCタンパク質についての研究報告は筆者の研究グループにより2005年にはじめてなされたが3),それ以降には2010年に関連報告がなされた(筆者らとの共同研究)。ここでは,主にBAALC 1-6-8の性質について述べる。臨床的に大きな意味を持つ急性白血病との関連については他の文献を参照していただきたい。
13.シナプス間隙マトリクス
海馬におけるメタロプロテアーゼ阻害因子Timp-3
著者: 安田修 , 楽木宏実
ページ範囲:P.518 - P.519
近年,細胞外基質が多くの疾患に関わっていることが明らかにされつつある。動脈硬化を起こした血管では,細胞外基質の減少が動脈硬化プラークの脆弱化と破綻を招くことが知られている。破綻を起こした動脈硬化プラークで生じた血栓は血管内腔を閉塞させ,心筋梗塞や脳梗塞を惹起する。また,Ⅷ型コラーゲンの増加は血管平滑筋細胞の中膜から内膜への遊走を促進し,動脈硬化形成を加速させる。細胞外基質が記憶機能にどのような影響を与えるかは構成成分となる分子の多様性から停滞しがちであったが,近年の遺伝子ターゲティング技術を用いた研究によって次第に明らかにされつつある。
14.転写因子
Junファミリー
著者: 宝田剛志 , 米田幸雄
ページ範囲:P.522 - P.523
Activator protein-1(AP-1)はFosファミリー(c-Fos,Fra1,Fra2,FosBなど),Junファミリー(c-Jun,JunB,JunDなど)およびactivating transcription factor(ATF)ファミリー(ATF-2,ATF-3,B-ATFなど)からなる2量体で構成される転写制御因子である。構成因子の一つであるJunファミリータンパク質は,その分子中のロイシンジッパー構造を介して,Fosファミリータンパク質やATFファミリータンパク質とヘテロ2量体,あるいはJunファミリータンパク質同士でホモ2量体を形成して,標的遺伝子プロモーター上に存在するAP-1結合配列TPA-responsive element(TRE;TGAC(T/G)TCA)に結合する(図1)。Junファミリーの一つであるc-Junは,ニワトリ肉腫ウイルスのv-Jun類似タンパク質として同定された原癌遺伝子(proto-oncogne)であり,新たなタンパク質合成を伴わずに発現誘導の認められるImmediate early gene(IEG)の一種である。
Fosファミリー
著者: 宝田剛志 , 米田幸雄
ページ範囲:P.524 - P.526
Fosファミリーはc-Fos,Fra1,Fra2およびFosBなどのタンパク質群から構成されるが,Junファミリータンパク質(c-Jun,JunB,JunDなど)とヘテロダイマーを形成することにより,ロイシンジッパー型モチーフを有する転写制御因子activator protein-1(AP-1)として機能する分子群である。AP-1は各種標的遺伝子プロモーター領域上のTPA-responsive element(TRE)配列(TGACTCA)を認識して,細胞核内において同コンセンサス配列を有する遺伝子の転写を調節することで,細胞の増殖・分化・生存,あるいは細胞死に深く関与する。Fosファミリーの中でもc-Fosは,FBJ肉腫ウイルスのv-Fos類似タンパク質として同定された原癌遺伝子(proto-oncogene)であり,様々なサイトカインやストレス性刺激あるいはウイルス感染により,発現誘導を受けるimmediate early gene(IEG)の一種として知られている。c-Fosプロモーター領域にはSRE(serum responsive element)サイトが機能的に存在するため,SRF/Elk-1によりc-Fosの発現は転写レベルで調節されている。つまり,各種MAPKキナーゼであるERK,p38,JNKなどが各種刺激により活性化されると,SRF/Elk-1複合体中のElk-1がリン酸化されて,SRE依存的なc-Fos発現誘導が引き起こされると理解される1)。したがって,IEGであるc-Fosは細胞外シグナルが即時的に変換された細胞内シグナル分子と捉えることが可能であり,ストレス応答や増殖あるいは細胞死などの細胞の普遍的現象だけではなく,中枢神経系でのシナプスを介するシグナル伝達機構における生理学的および病態生理学的役割についても注目されている。
15.受容体トラフィッキング
HPC-1/syntaxin1Aとsyntaxin1Bの機能分化
著者: 赤川公朗
ページ範囲:P.528 - P.529
細胞内小胞の輸送や開口放出を説明する機序としてSNARE仮説がよく知られている。SNARE分子の中でシナプス前膜にある因子として,HPC-1/syntaxin1A(sy1A)とsyntaxin1B(sy1B)がある。両者はアミノ酸配列,脳内局在も似通っており,シナプス小胞の開口放出過程の中でほぼ同じような働きをしながら並列に働く因子であると従来は考えられてきた。しかし最近,われわれが両者について遺伝子ノックアウトマウス(KO)を作製して,その神経系を詳細に比較検討した結果,sy1Aとsy1Bがシナプスにおいて異なる機能を担っているらしいことがわかってきた。これらのKOの神経系における表現系を説明しながら,sy1Aとsy1Bの機能について明らかとなってきた点を紹介する。
シナフィン/コンプレキシンの神経伝達物質放出における役割
著者: 阿部輝雄 , 得丸博史
ページ範囲:P.530 - P.531
シナフィン/コンプレキシン(synaphin/complexin,以下Syp)は神経終末のサイトゾルタンパク質で,神経伝達物質放出を制御する。哺乳類では四つのアイソフォーム(1-4)が存在する。網膜に多い3と4(それぞれ158,160残基)は1,2との類似性が低く(アミノ酸配列一致<30%),C末端にプレニル化部位を持つ。1と2(134残基,配列87%一致)は脳に多いが分布は異なり,ノックアウトマウスの症状にも差がある。しかし,作用機構上の差異は見出されていない。本稿では特に研究の進んでいる1と2を中心に述べる。
SNAP23/25
著者: 立川哲也
ページ範囲:P.532 - P.533
興奮性シナプスにおいて,シナプス後膜に表面発現しているグルタミン酸受容体は,構成性エキソサイトーシス/エンドサイトーシスを介した受容体トラフィッキングにより常時発現調節が行われている。さらに,その発現量は活動依存的に長期に増強(長期増強,LTP)もしくは抑圧(長期抑圧,LTD)され,この発現量の変化が記憶や学習の基礎機構であるシナプス可塑性の要因の一つと考えられている。
SNARE蛋白質は真核生物の細胞内輸送において小胞膜とその標的膜との膜融合を担う蛋白質である。小胞膜蛋白質VAMP(Synaptobrevin),細胞膜蛋白質シンタキシンならびにSNAP25の三者はSNARE蛋白質複合体を形成し,小胞膜と標的膜との融合をもたらす。近年,受容体のシナプス膜への挿入におけるSNARE蛋白質の関与が急速に解明されつつある。本稿ではグルタミン酸受容体トラフィッキングにおけるSNAP23/25の役割について,最近の知見を解説する。
受容体の膜輸送によるシナプス機能制御
著者: 清末和之
ページ範囲:P.534 - P.536
げっ歯類,海馬歯状回への投射シナプスにおける伝達が一過的な電気刺激によってその強度が変化し,長期に続く現象(長期増強;LTP)が発見されて以来,記憶・学習の細胞レベルのモデルとして,その分子機構の解明に詳細な研究がなされてきた。シナプス可塑性の発現におけるグルタミン酸受容体の膜輸送の関与と制御機構としての可能性について紹介する。
16.発達因子/調節リガンド
セマフォリンとその受容体による層特異的神経投射の制御
著者: 藤澤肇
ページ範囲:P.538 - P.539
セマフォリンとその受容体
セマフォリン(semaphorin;Sema)は神経軸索の侵入を阻止することにより,結果的に軸索を特定の方向に導く反発性の軸索ガイド因子で,20種を超える分子が見出されている。プレキシン(Plexin;Plxn)はセマフォリン受容体の一つで,これまでに9種のプレキシンが見出されており,A-Dの四つのサブファミリーに分類されている。プレキシンAサブファミリーとしてPlxnA1,PlxnA2,PlxnA3,PlxnA4の4種類が見出されており,PlxnA1は膜貫通型のセマフォリンSema6C,Sema6Dの受容体として,PlxnA4はSema6A,Sema6Bの受容体として機能することが判明している1)。PlxnA2はSema6A,Sema6Bと結合することが確認されているが,セマフォリンのシグナルを伝える受容体として機能しているかは不明である。PlxnA4を介したSema6A,Sema6Bの軸索反発シグナルが末梢神経回路,中枢神経回路の形成を制御すること1),PlxnA2とSema6Aが小脳顆粒細胞の移動を制御すること2)が明らかにされている。
Plexin-B
著者: 奥野龍禎 , 熊ノ郷淳
ページ範囲:P.540 - P.541
セマフォリン分子群およびプレキシン分子群について
セマフォリンファミリーは1990年台初頭に,神経系の発生過程における軸索反発因子として同定された分子群であるが,近年,器官形成,血管新生,癌の進展など神経系以外への関与が示されるとともに,ここ数年の筆者らの研究グループにより免疫系でも重要な役割を担っていることが明らかとなり,その機能は生体内において非常に多岐にわたることが明らかとなってきている。
セマフォリンはこれまで,ハエや線虫などの原始的な生物からわれわれヒトに至るまで,30種類近くのメンバーが同定されている。750~1000のアミノ酸残基からなっており,細胞外にファミリー間で保存されたセマドメインという領域を有することを構造上の大きな特徴としている。このセマドメインはファミリー間のアミノ酸レベルで30-40%の相同性を示し,システイン残基のN型糖鎖付加部位が保存されている。Semaは現在までに七つのクラスに分類されており,その中で特にSema3とSema4のクラスが最もよく研究されている。クラスにより分泌型と細胞膜結合型があり,Sema3は分泌型で,Sema4は細胞膜1回貫通型である。セマフォリン分子の受容体としてはNeuropilin(NP)やPlexinファミリーに属する分子群がよく知られている。たとえばSema4D,Sema6D,A39RといったセマフォリンはそれぞれPlexin-B1,Plexin-A1,Plexin-C1に直接結合する。NP-1とNP-2はclass Ⅲのセマフォリンに結合するが,そのシグナル伝達はNPと受容体複合体を形成しているクラスA群のPlexin分子によって担われている。また神経系や血管系,上皮系ではセマフォリン分子群は細胞骨格に影響するシグナルを伝達し,形態形成に深くかかわっていると考えられており,これらの細胞内シグナル伝達経路として,Rho,Racなどのsmall GTPaseの関与が報告されている。
ErbB1-4
著者: 那波宏之 , 武井延之
ページ範囲:P.542 - P.544
上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor;EGFR)は,最も歴史を有するサイトカイン受容体の一つで,その発見は1975年にさかのぼる。1984年にcDNAクローニングされ,受容体型チロシンキナーゼであることが判明している。この受容体はトリ赤芽球症ウイルスのがん遺伝子v-erbBのホモログであることから,erbBの遺伝子名がついた。一方,1985年にはこの受容体の類縁分子もクローニングされ,human EGFR-related 2(HER2)と名付けられた。この遺伝子はラットの神経芽腫neuroblastoma細胞株から見つかったがん遺伝子neuと同一構造なため,Neuとも呼ばれる。その後,同様にErbB3(HER3),とErbB4(HER4)の二つの類縁分子が見つかっている。ErbB1-4は共通した構造をもち,細胞外領域(リガンド結合部,2量体結合部),細胞膜貫通領域,細胞内領域(チロシンキナーゼ酵素部)からなるが,ErbB2の細胞外領域の結合リガンドは未知であり,また,ErbB3の細胞内ドメインはチロシンキナーゼ活性をもたない(図1)。
細胞外領域はリガンド結合部位をもち,ここにリガンドが結合すると受容体の酵素部が活性化するとともに,相互アフィニテイーが上がり,2量体を形成しやすくなる。ErbBのリガンド分子はEGFやニューレグリン1(NRG1)のほかに現在知られているだけでも10種以上存在し,複雑な組み合わせでErbB受容体と結合する(表)。通常,2量体を形成すると相手側のErbB分子の細胞内領域をリン酸化する。細胞表面のErbB分子濃度が非常に高くなるとリガンド非依存的な2量体形成も起こるようになり,受容体の活性化とシグナル伝達も発生する。表にあるようにErbB分子は多くの組み合わせで2量体を形成するが,ホモ2量体でない場合,リガンド結合ErbB分子とシグナル伝達ErbB分子は異なるかもしれないことに注意しなくてはならない。たとえば,チロシンキナーゼ活性のないErbB3でもニューレグリン(NRG)がErbB3に結合すれば,ErbB2とのヘテロ2量体形成によりErbB2のキナーゼによりリン酸化され,シグナルがErbB3より伝わる。ErbBのシグナル伝達経路にはGrb2/Ras/Raf/MAPK(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ)経路,PI3K(ホスホイノシトール3キナーゼ)/Akt経路,PLCγ(ホスホリパーゼCガンマ)/IP3経路の三つが存在する。このシグナル伝達の結果,神経系の細胞は増殖,分化,生存などの方向にむかう。Grb2/Ras/Raf/MAPK経路は主に細胞分化や増殖に関与し,PI3K/Akt経路は主に細胞成長や抗アポトーシスに関与する。また,PLCγ/IP3経路はCキナーゼや細胞内カルシウムを動員し,細胞運動や細胞増殖に関与する。
17.可塑性
SAPファミリー蛋白質
著者: 稲野辺厚 , 倉智嘉久
ページ範囲:P.546 - P.547
神経シナプスは神経細胞間の情報伝達の本質的な場である。この細胞間連絡は主に一方向性を示すため,軸索終末(前シナプス)では神経伝達物質の放出に,樹状突起(後シナプス)では神経伝達物質の受容に特化した機能を支える構造を有する。特に興奮性シナプスにおける後者は電子顕微鏡下で,高い電子密度として観察される特異構造(PSD;postsynaptic density)を付帯する。この領域に集積する蛋白質群は一般的にSAP(Synaptic Associated Proteins)ファミリー蛋白質と呼ばれ,特にPSD-95,Dgl-A,ZO-1と呼ばれる膜蛋白質アンカー蛋白質の共通モジュールとして同定されたPDZドメインを有する蛋白質(PDZ蛋白質)が多く含まれる。
PDZ蛋白質は膜受容体,イオンチャネルを集積させるだけでなく,膜蛋白質のendocytosisによる膜上での機能蛋白質の発現量を調節し,それらの活性を修飾し,そしてシナプスへの機能蛋白質の選択的輸送にも関与する。その結果,記憶,学習などの神経可塑性に深く関与する。この稿では,PDZ蛋白質の分子特性を俯瞰した後に,イオンチャネルの中でも特に内向き整流性K+(Kir)チャネルに対するPDZ蛋白質の作用について紹介する。
Dynamin依存性シナプス小胞エンドサイトーシス
著者: 山下貴之
ページ範囲:P.548 - P.549
シナプス前末端(神経終末)内には,内部にグルタミン酸などの神経伝達物質を蓄えた,シナプス小胞と呼ばれる直径約40-50nmの膜胞が存在する。シナプス前末端に活動電位が到達すると,電位依存性Caチャネルを介してCa流入が起こり,シナプス小胞は細胞膜と融合して神経伝達物質を細胞外に放出する(エキソサイトーシス)。細胞膜に融合した小胞膜はエンドサイトーシスにより回収され,神経伝達物質の再充填を経て再利用(リサイクリング)される。この小胞リサイクリング機構は小胞の枯渇を防ぎ,シナプス前末端が情報伝達能力を維持するために不可欠である。
小胞リサイクリングにおけるエンドサイトーシスには,(1)小胞が細胞膜と完全に膜融合(full-fusion)したのち,クラスリンを介してエンドサイトーシスされる経路,(2)小胞がfull-fusionせずに一部が融合して内容物を放出したあとそのまま解離するkiss-and-run,(3)小胞よりも大きなエンドソーム状の膜が一度に陥入してエンドサイトーシスされたのち,buddingによって小胞を生じる経路,の三つの経路が知られており,活動頻度の強弱に伴うCa流入量・エキソサイトーシス量の変化に応じて,それぞれの経路が使い分けられている。より生理的条件下では,(1)の経路が優先的となると考えられており,一方,(2)の経路は最近中枢シナプスでの存在が示されたが,生理的条件下でどの程度寄与するかは未だcontroversialである。また,(3)の経路は活動が非常に高頻度で起こるような場合にのみ使われ,シナプス前末端膜の異常膨張を防ぐ働きがあると考えられる。
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51巻6号(2000年12月発行)
特集 機械的刺激受容の分子機構と細胞応答
51巻5号(2000年10月発行)
特集 ノックアウトマウスリスト
51巻4号(2000年8月発行)
特集 臓器(組織)とアポトーシス
51巻3号(2000年6月発行)
特集 自然免疫における異物認識と排除の分子機構
51巻2号(2000年4月発行)
特集 細胞極性の形成機序
51巻1号(2000年2月発行)
特集 脳を守る21世紀生命科学の展望
50巻6号(1999年12月発行)
特集 細胞内輸送
50巻5号(1999年10月発行)
特集 病気の分子細胞生物学
50巻4号(1999年8月発行)
特集 トランスポーターの構造と機能協関
50巻3号(1999年6月発行)
特集 時間生物学の新たな展開
50巻2号(1999年4月発行)
特集 リソソーム:最近の研究
50巻1号(1999年2月発行)
連続座談会 脳を守る
49巻6号(1998年12月発行)
特集 発生・分化とホメオボックス遺伝子
49巻5号(1998年10月発行)
特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998
49巻4号(1998年8月発行)
特集 プロテインキナーゼCの多様な機能
49巻3号(1998年6月発行)
特集 幹細胞研究の新展開
49巻2号(1998年4月発行)
特集 血管―新しい観点から
49巻1号(1998年2月発行)
特集 言語の脳科学
48巻6号(1997年12月発行)
特集 軸索誘導
48巻5号(1997年10月発行)
特集 受容体1997
48巻4号(1997年8月発行)
特集 マトリックス生物学の最前線
48巻3号(1997年6月発行)
特集 開口分泌のメカニズムにおける新しい展開
48巻2号(1997年4月発行)
特集 最近のMAPキナーゼ系
48巻1号(1997年2月発行)
特集 21世紀の脳科学
47巻6号(1996年12月発行)
特集 老化
47巻5号(1996年10月発行)
特集 器官―その新しい視点
47巻4号(1996年8月発行)
特集 エンドサイトーシス
47巻3号(1996年6月発行)
特集 細胞分化
47巻2号(1996年4月発行)
特集 カルシウム動態と細胞機能
47巻1号(1996年2月発行)
特集 神経科学の最前線
46巻6号(1995年12月発行)
特集 病態を変えたよく効く医薬
46巻5号(1995年10月発行)
特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー
46巻4号(1995年8月発行)
特集 ストレス蛋白質
46巻3号(1995年6月発行)
特集 ライソゾーム
46巻2号(1995年4月発行)
特集 プロテインホスファターゼ―最近の進歩
46巻1号(1995年2月発行)
特集 神経科学の謎
45巻6号(1994年12月発行)
特集 ミトコンドリア
45巻5号(1994年10月発行)
特集 動物の行動機能テスト―個体レベルと分子レベルを結ぶ
45巻4号(1994年8月発行)
特集 造血の機構
45巻3号(1994年6月発行)
特集 染色体
45巻2号(1994年4月発行)
特集 脳と分子生物学
45巻1号(1994年2月発行)
特集 グルコーストランスポーター
44巻6号(1993年12月発行)
特集 滑面小胞体をめぐる諸問題
44巻5号(1993年10月発行)
特集 現代医学・生物学の仮説・学説
44巻4号(1993年8月発行)
特集 細胞接着
44巻3号(1993年6月発行)
特集 カルシウムイオンを介した調節機構の新しい問題点
44巻2号(1993年4月発行)
特集 蛋白質の細胞内転送とその異常
44巻1号(1993年2月発行)
座談会 脳と遺伝子
43巻6号(1992年12月発行)
特集 成長因子受容体/最近の進歩
43巻5号(1992年10月発行)
特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
43巻4号(1992年8月発行)
特集 細胞機能とリン酸化
43巻3号(1992年6月発行)
特集 血管新生
43巻2号(1992年4月発行)
特集 大脳皮質発達の化学的側面
43巻1号(1992年2月発行)
特集 意識と脳
42巻6号(1991年12月発行)
特集 細胞活動の日周リズム
42巻5号(1991年10月発行)
特集 神経系に作用する薬物マニュアル
42巻4号(1991年8月発行)
特集 開口分泌の細胞内過程
42巻3号(1991年6月発行)
特集 ペルオキシソーム/最近の進歩
42巻2号(1991年4月発行)
特集 脳の移植と再生
42巻1号(1991年2月発行)
特集 脳と免疫
41巻6号(1990年12月発行)
特集 注目の実験モデル動物
41巻5号(1990年10月発行)
特集 LTPとLTD:その分子機構
41巻4号(1990年8月発行)
特集 New proteins
41巻3号(1990年6月発行)
特集 シナプスの形成と動態
41巻2号(1990年4月発行)
特集 細胞接着
41巻1号(1990年2月発行)
特集 発がんのメカニズム/最近の知見
40巻6号(1989年12月発行)
特集 ギャップ結合
40巻5号(1989年10月発行)
特集 核内蛋白質
40巻4号(1989年8月発行)
特集 研究室で役に立つ新しい試薬
40巻3号(1989年6月発行)
特集 細胞骨格異常
40巻2号(1989年4月発行)
特集 大脳/神経科学からのアプローチ
40巻1号(1989年2月発行)
特集 分子進化
39巻6号(1988年12月発行)
特集 細胞内における蛋白質局在化機構
39巻5号(1988年10月発行)
特集 細胞測定法マニュアル
39巻4号(1988年8月発行)
特集 細胞外マトリックス
39巻3号(1988年6月発行)
特集 肺の微細構造と機能
39巻2号(1988年4月発行)
特集 生体運動の分子機構/研究の発展
39巻1号(1988年2月発行)
特集 遺伝子疾患解析の発展
38巻6号(1987年12月発行)
-チャンネルの最近の動向
38巻5号(1987年10月発行)
特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル
38巻4号(1987年8月発行)
特集 視覚初期過程の分子機構
38巻3号(1987年6月発行)
特集 人間の脳
38巻2号(1987年4月発行)
特集 体液カルシウムのホメオスタシス
38巻1号(1987年2月発行)
特集 医学におけるブレイクスルー/基礎研究からの挑戦
37巻6号(1986年12月発行)
特集 神経活性物質受容体と情報伝達
37巻5号(1986年10月発行)
特集 中間径フィラメント
37巻4号(1986年8月発行)
特集 細胞生物学実験マニュアル
37巻3号(1986年6月発行)
特集 脳の化学的トポグラフィー
37巻2号(1986年4月発行)
特集 血小板凝集
37巻1号(1986年2月発行)
特集 脳のモデル
36巻6号(1985年12月発行)
特集 脂肪組織
36巻5号(1985年10月発行)
特集 細胞分裂をめぐって
36巻4号(1985年8月発行)
特集 神経科学実験マニュアル
36巻3号(1985年6月発行)
特集 血管内皮細胞と微小循環
36巻2号(1985年4月発行)
特集 肝細胞と胆汁酸分泌
36巻1号(1985年2月発行)
特集 Transmembrane Control
35巻6号(1984年12月発行)
特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識
35巻5号(1984年10月発行)
特集 中枢神経系の再構築
35巻4号(1984年8月発行)
特集 ゲノムの構造
35巻3号(1984年6月発行)
特集 神経科学の仮説
35巻2号(1984年4月発行)
特集 哺乳類の初期発生
35巻1号(1984年2月発行)
特集 細胞生物学の現状と展望
34巻6号(1983年12月発行)
特集 蛋白質の代謝回転
34巻5号(1983年10月発行)
特集 受容・応答の膜分子論
34巻4号(1983年8月発行)
特集 コンピュータによる生物現象の再構成
34巻3号(1983年6月発行)
特集 細胞の極性
34巻2号(1983年4月発行)
特集 モノアミン系
34巻1号(1983年2月発行)
特集 腸管の吸収機構
33巻6号(1982年12月発行)
特集 低栄養と生体機能
33巻5号(1982年10月発行)
特集 成長因子
33巻4号(1982年8月発行)
特集 リン酸化
33巻3号(1982年6月発行)
特集 神経発生の基礎
33巻2号(1982年4月発行)
特集 細胞の寿命と老化
33巻1号(1982年2月発行)
特集 細胞核
32巻6号(1981年12月発行)
特集 筋小胞体研究の進歩
32巻5号(1981年10月発行)
特集 ペプチド作働性シナプス
32巻4号(1981年8月発行)
特集 膜の転送
32巻3号(1981年6月発行)
特集 リポプロテイン
32巻2号(1981年4月発行)
特集 チャネルの概念と実体
32巻1号(1981年2月発行)
特集 細胞骨格
31巻6号(1980年12月発行)
特集 大脳の機能局在
31巻5号(1980年10月発行)
特集 カルシウムイオン受容タンパク
31巻4号(1980年8月発行)
特集 化学浸透共役仮説
31巻3号(1980年6月発行)
特集 赤血球膜の分子構築
31巻2号(1980年4月発行)
特集 免疫系の情報識別
31巻1号(1980年2月発行)
特集 ゴルジ装置
30巻6号(1979年12月発行)
特集 細胞間コミニケーション
30巻5号(1979年10月発行)
特集 In vitro運動系
30巻4号(1979年8月発行)
輸送系の調節
30巻3号(1979年6月発行)
特集 網膜の構造と機能
30巻2号(1979年4月発行)
特集 神経伝達物質の同定
30巻1号(1979年2月発行)
特集 生物物理学の進歩—第6回国際生物物理学会議より
29巻6号(1978年12月発行)
特集 最近の神経科学から
29巻5号(1978年10月発行)
特集 下垂体:前葉
29巻4号(1978年8月発行)
特集 中枢のペプチド
29巻3号(1978年6月発行)
特集 心臓のリズム発生
29巻2号(1978年4月発行)
特集 腎機能
29巻1号(1978年2月発行)
特集 膜脂質の再検討
28巻6号(1977年12月発行)
特集 青斑核
28巻5号(1977年10月発行)
特集 小胞体
28巻4号(1977年8月発行)
特集 微小管の構造と機能
28巻3号(1977年6月発行)
特集 神経回路網と脳機能
28巻2号(1977年4月発行)
特集 生体の修復
28巻1号(1977年2月発行)
特集 生体の科学の現状と動向
27巻6号(1976年12月発行)
特集 松果体
27巻5号(1976年10月発行)
特集 遺伝マウス・ラット
27巻4号(1976年8月発行)
特集 形質発現における制御
27巻3号(1976年6月発行)
特集 生体と化学的環境
27巻2号(1976年4月発行)
特集 分泌腺
27巻1号(1976年2月発行)
特集 光受容
26巻6号(1975年12月発行)
特集 自律神経と平滑筋の再検討
26巻5号(1975年10月発行)
特集 脳のプログラミング
26巻4号(1975年8月発行)
特集 受精機構をめぐつて
26巻3号(1975年6月発行)
特集 細胞表面と免疫
26巻2号(1975年4月発行)
特集 感覚有毛細胞
26巻1号(1975年2月発行)
特集 体内のセンサー
25巻5号(1974年12月発行)
特集 生体膜—その基本的課題
25巻4号(1974年8月発行)
特集 伝達物質と受容物質
25巻3号(1974年6月発行)
特集 脳の高次機能へのアプローチ
25巻2号(1974年4月発行)
特集 筋細胞の分化
25巻1号(1974年2月発行)
特集 生体の科学 展望と夢
24巻6号(1973年12月発行)
24巻5号(1973年10月発行)
24巻4号(1973年8月発行)
24巻3号(1973年6月発行)
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24巻1号(1973年2月発行)
23巻6号(1972年12月発行)
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22巻6号(1971年12月発行)
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21巻7号(1970年12月発行)
21巻6号(1970年10月発行)
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特集 代謝と機能
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20巻6号(1969年12月発行)
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19巻6号(1968年12月発行)
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18巻6号(1967年12月発行)
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17巻6号(1966年12月発行)
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17巻4号(1966年8月発行)
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16巻6号(1965年12月発行)
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16巻4号(1965年8月発行)
16巻3号(1965年6月発行)
16巻2号(1965年4月発行)
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15巻6号(1964年12月発行)
特集 生体膜その3
15巻5号(1964年10月発行)
特集 生体膜その2
15巻4号(1964年8月発行)
特集 生体膜その1
15巻3号(1964年6月発行)
特集 第13回日本生理科学連合シンポジウム
15巻2号(1964年4月発行)
15巻1号(1964年2月発行)
14巻6号(1963年12月発行)
特集 興奮收縮伝関
14巻5号(1963年10月発行)
14巻4号(1963年8月発行)
14巻3号(1963年6月発行)
14巻1号(1963年2月発行)
特集 第9回中枢神経系の生理学シンポジウム
14巻2号(1963年2月発行)
13巻6号(1962年12月発行)
13巻5号(1962年10月発行)
特集 生物々理—生理学生物々理若手グループ第1回ミーティングから
13巻4号(1962年8月発行)
13巻3号(1962年6月発行)
13巻2号(1962年4月発行)
Symposium on Permeability of Biological Membranes
13巻1号(1962年2月発行)
12巻6号(1961年12月発行)
12巻5号(1961年10月発行)
12巻4号(1961年8月発行)
12巻3号(1961年6月発行)
12巻2号(1961年4月発行)
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11巻6号(1960年12月発行)
Symposium On Active Transport
11巻5号(1960年10月発行)
11巻4号(1960年8月発行)
11巻3号(1960年6月発行)
11巻2号(1960年4月発行)
11巻1号(1960年2月発行)
10巻6号(1959年12月発行)
10巻5号(1959年10月発行)
10巻4号(1959年8月発行)
10巻3号(1959年6月発行)
10巻2号(1959年4月発行)
10巻1号(1959年2月発行)
8巻6号(1957年12月発行)
8巻5号(1957年10月発行)
特集 酵素と生物
8巻4号(1957年8月発行)
8巻3号(1957年6月発行)
8巻2号(1957年4月発行)
8巻1号(1957年2月発行)