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特集 シナプスをめぐるシグナリング 1.受容体
AMPA受容体の発現調節
著者: 守村直子1
所属機関: 1理化学研究所 脳科学総合研究センター 行動発達障害研究チーム
ページ範囲:P.380 - P.381
文献購入ページに移動 AMPA型受容体は,イオンチャネル型グルタミン酸受容体の一つであり,神経終末から放出されるグルタミン酸と結合して素早くシナプス後部の脱分極を起こす,速い興奮性神経伝達を担っている。近年,記憶学習といった脳機能は,シナプスにおけるグルタミン酸受容体を介したシナプス伝達効率の変化(シナプス可塑性)で説明できるようになった。特に,長期増強(LTP)や長期抑圧(LTD)が細胞レベルのシナプス可塑性モデルとして用いられるようになり,神経活動依存的なシナプス可塑性は,AMPA受容体のシナプス後部における発現の変化に起因するという考えが定着しつつある。したがって,AMPA受容体の発現調節の全容解明,またその制御を担う分子の発見は,記憶学習の実体解明に繋がる鍵と考えられている。ここでは,AMPA受容体のシナプス発現の概要,ならびに,最近明らかにされた個体レベルでのAMPA受容体の発現調節に関する知見を紹介する。
参考文献
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