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文献詳細

雑誌文献

生体の科学61巻5号

2010年10月発行

文献概要

特集 シナプスをめぐるシグナリング 2.トランスポーター

グリシントランスポーター(GlyT)

著者: 田辺光男1

所属機関: 1北里大学 薬学部 薬理学教室

ページ範囲:P.408 - P.409

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 中枢神経系においてglycineはGABAと並んで重要な抑制性神経伝達物質である。GlycineはClチャネル一体型のstrychnine感受性glycine受容体に結合し,Clチャネルを開口することにより神経細胞を抑制する。さらに,1980年代後半にglycineがglutamateの共アゴニストとしてNMDA受容体を活性化する1)ことが示されて以来,興奮性および抑制性神経伝達の両面においてglycineが重要な役割を担っていることが広く認識されるようになった。細胞外のglycineはglycine transporter(以下GlyT)の働きにより制御されている。GlyTの機能に関する解明は近年大きく進んできており,GlyTをターゲットとした疾患治療薬も視野に入りつつある。本稿では,GlyTのサブタイプやその分布と機能,GlyT阻害薬の疾患治療薬への可能性について紹介したい。

参考文献

325:529-531, 1987
30:325-333, 2005
120:317-332, 2008
108:929-937, 2008
326:633-645, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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