文献詳細
特集 シナプスをめぐるシグナリング
2.トランスポーター
文献概要
脊髄侵害受容伝達におけるグリシン作動性神経の役割
グリシンは脊髄の主要な抑制性神経伝達物質で,その役割には脊髄での疼痛閾値の調節がある。侵害性一次求心性ニューロンと二次ニューロンをシナプス前およびシナプス後で抑制する。さらに,グリシンは下行性疼痛抑制系にも含まれており,脊髄後角で直接二次ニューロンのグリシン受容体を活性化するか,抑制性介在ニューロンの働きを活性化させて侵害受容伝達を抑制していると考えられている。最近,組織損傷により産生されるプロスタグランジンE2がグリシン受容体α3サブユニットを抑制して痛覚過敏を引き起こすことが明らかになり,グリシン作動性神経は急性痛の閾値の調節のみならず慢性痛の発生過程にも非常に大きく関与していることがわかってきた。
グリシンは脊髄の主要な抑制性神経伝達物質で,その役割には脊髄での疼痛閾値の調節がある。侵害性一次求心性ニューロンと二次ニューロンをシナプス前およびシナプス後で抑制する。さらに,グリシンは下行性疼痛抑制系にも含まれており,脊髄後角で直接二次ニューロンのグリシン受容体を活性化するか,抑制性介在ニューロンの働きを活性化させて侵害受容伝達を抑制していると考えられている。最近,組織損傷により産生されるプロスタグランジンE2がグリシン受容体α3サブユニットを抑制して痛覚過敏を引き起こすことが明らかになり,グリシン作動性神経は急性痛の閾値の調節のみならず慢性痛の発生過程にも非常に大きく関与していることがわかってきた。
参考文献
40:797-806, 2003
326:633-45, 2008
445:214-9, 2008
110:615-621, 2010
掲載誌情報