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文献詳細

雑誌文献

生体の科学61巻5号

2010年10月発行

特集 シナプスをめぐるシグナリング

3.チャネル

シナプスにおけるVR1(TRPV1)

著者: 横山徹1 上田陽一1

所属機関: 1産業医科大学 医学部 第1生理学

ページ範囲:P.418 - P.419

文献概要

TRPとは

 TRP(transient receptor potential)チャネルは,1989年ショウジョウバエの眼光受容応答変異株の原因遺伝子として発見されたtrp遺伝子をコードするタンパク質である1)Trp変異株では光受容器電位変化が一過性であることからこのように命名されている。このチャネルは6回膜貫通型を有する非選択性陽イオンチャネルで,N末端およびC末端は細胞内に面しており,4量体として機能している。

 TRPチャネルは直接的または間接的に種々の生理活性物質により活性化されることで,主に感覚系における“センサー”として働くことが注目されているほか,自身のイオン流入を細胞内シグナルとして下流に効果的に伝えるシグナル複合体の足場として働くとも考えられている。遺伝子解析の結果,多くのTRPホモログが同定されており,TRPチャネルスーパーファミリーが構成されている。現在,TRP vanilloid family(TRPV)にはTRPV1からTRPV6まで存在することがわかっている2)

参考文献

2:1313-1323, 1989
426:517-524, 2003
389:816-824, 1997
405:183-187, 2000
30:876-884, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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