文献詳細
特集 シナプスをめぐるシグナリング
3.チャネル
文献概要
TRPとは
TRP(transient receptor potential)チャネルは,1989年ショウジョウバエの眼光受容応答変異株の原因遺伝子として発見されたtrp 遺伝子をコードするタンパク質である1)。Trp 変異株では光受容器電位変化が一過性であることからこのように命名されている。このチャネルは6回膜貫通型を有する非選択性陽イオンチャネルで,N末端およびC末端は細胞内に面しており,4量体として機能している。
TRPチャネルは直接的または間接的に種々の生理活性物質により活性化されることで,主に感覚系における“センサー”として働くことが注目されているほか,自身のイオン流入を細胞内シグナルとして下流に効果的に伝えるシグナル複合体の足場として働くとも考えられている。遺伝子解析の結果,多くのTRPホモログが同定されており,TRPチャネルスーパーファミリーが構成されている。現在,TRP vanilloid family(TRPV)にはTRPV1からTRPV6まで存在することがわかっている2)。
TRP(transient receptor potential)チャネルは,1989年ショウジョウバエの眼光受容応答変異株の原因遺伝子として発見された
TRPチャネルは直接的または間接的に種々の生理活性物質により活性化されることで,主に感覚系における“センサー”として働くことが注目されているほか,自身のイオン流入を細胞内シグナルとして下流に効果的に伝えるシグナル複合体の足場として働くとも考えられている。遺伝子解析の結果,多くのTRPホモログが同定されており,TRPチャネルスーパーファミリーが構成されている。現在,TRP vanilloid family(TRPV)にはTRPV1からTRPV6まで存在することがわかっている2)。
参考文献
2:1313-1323, 1989
426:517-524, 2003
389:816-824, 1997
405:183-187, 2000
30:876-884, 2010
掲載誌情報