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文献概要
特集 シナプスをめぐるシグナリング 6.セカンドメッセンジャー
リアノジン受容体
著者: 呉林なごみ1 村山尚1
所属機関: 1順天堂大学 医学部 薬理学教室
ページ範囲:P.444 - P.445
文献購入ページに移動 リアノジン受容体(Ryanodine receptor;RyR)は細胞内Ca2+貯蔵部位である小胞体に存在するCa2+遊離チャネルで,細胞内Ca2+濃度調節に寄与する1)。植物アルカロイドのリアノジンが結合することから命名され,もう一つのCa2+遊離チャネルのIP3受容体に比べ,筋や神経など興奮性細胞に多い。RyRには3種類のアイソフォームが存在する。RyR1は骨格筋の,RyR2は心筋の興奮収縮連関において中心的な役割をしている。中枢ではRyR1は小脳のプルキンエ細胞,線条体,海馬に多く存在する。RyR2は中枢に最も多いアイソフォームで,特に海馬の歯状回に顕著である。RyR3は中枢では海馬CA1錐体細胞,大脳基底核,嗅球に多くみられる1-3)。
参考文献
10:65-70, 2000
584:1956-1965, 2010
3)竹島浩:リアノジン受容体.イオンチャネル最前線 update,倉智嘉久(編),pp171-175,医歯薬出版,東京,2005
27:78-84, 2006
115:519-532, 2000
掲載誌情報