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特集 シナプスをめぐるシグナリング 10.スカフォールドタンパク
シナプス局在から見えるPSD-95ファミリーの機能多様性
著者: 土井知子1
所属機関: 1京都大学大学院 理学研究科 構造生理学講座
ページ範囲:P.492 - P.493
文献購入ページに移動PSDのNMDA受容体(NMDAR)複合体をマウスとハエで比較すると,ハエのPSD-95ファミリーはDlg分子1種類しかなく,またマウスのNMDARサブユニットのNR2A,2B,2C,2Dの4種類に対しても,ハエではNR2分子の1種類のみである。顕著な違いは下流のシグナル分子の種類ではなく,受容体と直下の足場タンパク質の多様化である。これは,ハエからマウスへの進化に伴う神経細胞の情報伝達機構の複雑化,脳機能の高次化にとって,PSD-95ファミリーや受容体分子の多様化が重要な役割を果たしていることを示唆している。
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