icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学61巻5号

2010年10月発行

特集 シナプスをめぐるシグナリング

10.スカフォールドタンパク

TANC1:スパインサイズ制御系との関連

著者: 鈴木龍雄1

所属機関: 1信州大学大学院 医学系研究科 加齢適応医科学系独立専攻 神経可塑性学分野

ページ範囲:P.500 - P.501

文献概要

新規のスカッフォールド/アダプター分子,TANC1

 筆者らは新規のシナプス後肥厚部(PSD)タンパク質を発見するために,C末にPDZドメイン結合モチーフを持つタンパク質をデータベース検索し,KIAA1728に着目して研究を進めた。研究開始当初,KIAA1728の配列は5'コーディング配列を欠いていたので,ラットから完全長cDNAをクローニングし(2002年),コードされているタンパク質分子を,分子内に含まれる三つのtetratricopeptideリピート(TPR),10個のankyrinリピートおよび1個のコイルドコイル構造に基づき,TANC(a protein containing TRR,ankyrin repeat and coiled-coil)と命名した1)。その後,TANC1となった。TANC1は分子構造からショウジョウバエの筋肉分化に関与するRolling pebbles遺伝子のオルソログである。mRNAは脳を含むいろいろな組織で発現している。ラット脳内では小脳と海馬に高発現しているが,大脳皮質での発現は低い(図)。ラット前脳では生直後から発現しているが,成獣でやや発現が増加する。mRNAは培養神経細胞の樹状突起にも局在している。

参考文献

21:339-350, 2005
377:573-578, 2008
28:8178-8188, 2008
31:289-303, 2001
97:16-23, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら