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文献詳細

雑誌文献

生体の科学61巻5号

2010年10月発行

特集 シナプスをめぐるシグナリング

12.脂質ラフト関連

BAALC 1-6-8 proteinはカルモジュリンキナーゼⅡα subunitのターゲティングに関与するか

著者: 鈴木龍雄1

所属機関: 1信州大学大学院 医学系研究科 加齢適応医科学系独立専攻 神経可塑性学分野

ページ範囲:P.514 - P.515

文献概要

 Brain and acute leukemia,cytoplasmic(BAALC)遺伝子は,急性骨髄性白血病(AML)患者の遺伝子解析中に発見された。BAALCは神経外胚葉由来の組織や造血系の前駆細胞,急性白血病細胞にのみ発現することが知られている特異な分子である1)。また,ヒトの造血系全区細胞のマーカーとして知られる1,2)。このタンパク質はほ乳類とゼブラフィッシュで高度に保存されているが,下等動物では見られない。急性白血病での発現は悪性度の指標とされ,臨床的には予後の悪性度と相関がある。タンパク質化学的な性質については発見以来,全く研究されておらず,構造上にも特徴的なドメインやモチーフも知られていなかった。脳のBAALCタンパク質についての研究報告は筆者の研究グループにより2005年にはじめてなされたが3),それ以降には2010年に関連報告がなされた(筆者らとの共同研究)。ここでは,主にBAALC 1-6-8の性質について述べる。臨床的に大きな意味を持つ急性白血病との関連については他の文献を参照していただきたい。

参考文献

98:13901-13906, 2001
31:1051-1056, 2003
92:647-659, 2005
5:463-473, 2005
34:1792-1804, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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