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文献詳細

雑誌文献

生体の科学61巻6号

2010年12月発行

文献概要

特集 細胞死か腫瘍化かの選択

癌におけるアポトーシス抑制因子survivin発現の役割とその制御

著者: 黄政龍1 劉大革2 横見瀬裕保2

所属機関: 1京都大学 呼吸器外科 2香川大学 呼吸器乳腺内分泌外科

ページ範囲:P.568 - P.572

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 癌の克復は現代医療における重要な命題である。しかしながら未だその目的が十分達成できたとはいえない。その原因として,癌が単一の病気ではなく,多彩な生物学的悪性度をもっていることが考えられる。癌細胞がもつ悪性の生物学的動態として,細胞増殖能の亢進,アポトーシスの抑制,血管新生の亢進,浸潤能と転移能,薬剤耐性の獲得などがあげられる。近年の分子生物学的癌研究の進歩により,遺伝子・蛋白・糖鎖を含む多くの分子が,癌細胞の多彩な機能に複雑に関与していることが判明してきた。これからはこの分子生物学的癌研究を通じて,臨床現場において役立つ癌治療の開発が重要と考えられる。その中で,survivinは腫瘍増殖能やアポトーシス,薬剤耐性などに広く関わる分子であることが明らかとなってきた1)。そこで,このsurvivinの機能と癌における発現異常,さらにはsurvivinをターゲットにした癌治療への展望などについて,これまでのわれわれの非小細胞肺癌における研究成果を含めて述べる。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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