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文献詳細

雑誌文献

生体の科学61巻6号

2010年12月発行

文献概要

特集 細胞死か腫瘍化かの選択

Pimキナーゼによる細胞増殖の促進とアポトーシスの抑制

著者: 藤田直也1

所属機関: 1(財)癌研究会 癌化学療法センター 基礎研究部

ページ範囲:P.585 - P.589

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 発生過程や正常組織において,細胞の生存と死(アポトーシス)は厳密に制御されており,このような生存と死のバランスが生体の恒常性維持に重要な役割を果たしている。細胞の生存と死は,細胞に備わっている細胞増殖・細胞生存シグナルと細胞死シグナルのバランスにより決定されている。がんなどの疾病における細胞の異常増殖・不死化の際には,細胞増殖・細胞生存シグナルの異常な活性化が起きている場合が多い。Pim遺伝子は,モロニーマウス白血病ウイルス感染によってもたらされるT細胞リンパ腫において活性化される原がん遺伝子として同定された。Pimキナーゼはサイトカインレセプターなどの下流に位置し,多くのがんで発現増加・活性亢進が起きている。Pim経路は,細胞増殖・細胞生存シグナルを伝達することで有名なPI3K-Akt経路と同様な基質をリン酸化し下流へとシグナルを伝達することから,Pimキナーゼを標的にした薬剤は抗がん剤として臨床応用できる可能性が高いと考えられ,その創薬標的としても注目が集まっている。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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