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文献詳細

雑誌文献

生体の科学61巻6号

2010年12月発行

文献概要

特集 細胞死か腫瘍化かの選択

RASドメイン含有タンパクRASSF2による腫瘍化抑制機構

著者: 豊田実1 丸山玲緒1 時野隆至2

所属機関: 1札幌医科大学 生化学講座 2札幌医科大学 附属がん研究所 分子生物学講座

ページ範囲:P.590 - P.593

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 Rasはヒト腫瘍において最も高頻度に活性化している癌遺伝子であり,細胞増殖や細胞形質転換などに関与するシグナルを制御する。一方で,正常細胞で恒常的なRasの活性化を起こすと,細胞は細胞老化やアポトーシスを起こし,Rasが細胞増殖を正にも負にも制御することが示唆される。Rasにはその機能を制御する様々なエフェクター分子が存在する(図1)。BRAFやPIK3CAなどのエフェクター分子はしばしば癌において点突然変異により活性化されている1,2)。RASの負のエフェクターとして,RASSFファミリー遺伝子が存在する。RASSF1は肺癌において高率に欠失している染色体3番短腕p21領域に存在する癌抑制遺伝子として同定された3)。RASSF1は腫瘍増殖を抑制する働きがあるだけでなく,様々な癌においてプロモーター領域の異常メチル化により不活化されている。本稿では,RASSFファミリー遺伝子,特にRASSF2について,癌における不活化の意義や腫瘍抑制の分子機構について概説する。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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