icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学61巻6号

2010年12月発行

文献概要

特集 細胞死か腫瘍化かの選択

ストレス応答キナーゼASK1とASK2によるアポトーシスと炎症の制御と腫瘍化

著者: 佐藤剛裕1 一條秀憲1 武田弘資1

所属機関: 1東京大学大学院 薬学系研究科 細胞情報学教室

ページ範囲:P.601 - P.607

文献購入ページに移動
 癌を引き起こす原因として,紫外線や有害物質などによる物理化学的ストレスや,細菌やウイルスの感染による生物学的ストレスが知られている1,2)。各細胞に備わった様々なストレス応答シグナル伝達系は,ストレスに曝されると直ちに活性化して適切な細胞応答を引き起こす。過大なストレスによって損傷を受けると細胞はその修復を試みるが,大きく損傷を受けた細胞ではアポトーシスが誘導され,損傷細胞の増殖による癌化が防がれる。この一連のストレスに対する生体防御機構は,ストレス応答シグナル伝達系によって精緻に制御されている。一方で,このようなストレス応答シグナル伝達系の多くは炎症応答の誘導にも共通に使われ,創傷や感染の際の防御機構として働く。しかし,本来は生体防御に働く炎症応答も,とくに慢性炎症となった場合には,発癌の大きなリスクファクターとなると考えられている。したがって,アポトーシスと炎症を制御するストレス応答シグナル伝達系は,発癌のメカニズムの解析や癌の治療標的として重要な研究対象となっている。

参考文献

411:342-348, 2001
98:1521-1527, 2007
81:807-869, 2001
9:537-549, 2009
32:364-371, 2007
275:90-94, 1997
48:199-225, 2008
280:37033-37040, 2005
17:2596-2606, 1998
282:7522-7531, 2007
28:843-853, 2009
5:828-831, 1999
59:4516-4518, 1999
21:1714-1719, 2007
5:549-563, 2006
6:587-592, 2005
138:1055-1067, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら