文献詳細
特集 摂食制御の分子過程
視床下部におけるAMPキナーゼの摂食・代謝調節作用
著者: 箕越靖彦1
所属機関: 1生理学研究所 発達生理学研究系 生殖・内分泌発達機構研究部門
ページ範囲:P.11 - P.16
文献概要
AMPKは様々なイオンチャネル活性を制御するとともに,遺伝子発現を調節する。従って,これらの機能を介して神経活動を制御し,摂食を調節することが考えられる。しかし,最近の研究によると,AMPKが末梢組織と同様に神経細胞においても脂肪酸代謝を変化させ,これを介して摂食を調節することが明らかとなってきた。すなわち,AMPKは栄養素やホルモン,神経伝達物質から情報を脂肪酸代謝において統合し,摂食行動,代謝を調節すると考えられている(図1)2,4-6)。本稿では,AMPKを介する視床下部でのエネルギー感受機構と,それによって制御される摂食調節作用について概説する。
参考文献
掲載誌情報