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文献詳細

雑誌文献

生体の科学62巻1号

2011年02月発行

文献概要

特集 摂食制御の分子過程

POMC/CART(視床下部におけるFoxO1とSirt1)

著者: 北村忠弘1 佐々木努1

所属機関: 1群馬大学 生体調節研究所 代謝シグナル研究展開センター

ページ範囲:P.26 - P.30

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 摂食は中枢からのシグナルと末梢臓器からのシグナルにより複雑に制御されているが,特に重要な役割を果たすのが視床下部である。視床下部では弓状核,腹内側核,背内側核,室傍核,外側野などの神経核が摂食調節にかかわるが,特に弓状核には,摂食を促進するorexigenicな神経ペプチド(NPY/AgRP)を発現するニューロンと,摂食を抑制するanorexigenicな神経ペプチド(POMC/CART)を発現するニューロンが混在しており,摂食調節において中心的な役割を果たす。食事をすると,脂肪組織からはレプチンが,膵β細胞からはインスリンが分泌され,ともに弓状核に作用してNPY/AgRPの発現量を減少させ,逆にPOMC/CARTの発現量を増加させることで,摂食に抑制的に働く。本稿では,まずPOMC/CARTについて概説した後,インスリン/レプチンによって摂食調節神経ペプチドの発現が調節される分子メカニズムを,FoxO1とSirt1を中心に,筆者らの最近の成績も加えて解説したい。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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