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特集 摂食制御の分子過程
新規摂食抑制因子nesfatin-1の発現とその作用機序
著者: 大井晋介1 森昌朋1
所属機関: 1群馬大学 医学部附属病院 病態制御内科学
ページ範囲:P.57 - P.62
文献購入ページに移動 近年,わが国のみならず諸外国においてもメタボリックシンドロームの概念および診断基準が確立されつつあるが,その根本を成す肥満症の拡大は全世界で認められるため,その克服は今日的な人類の大きな課題の一つといえる。ハイリスク肥満症である内臓脂肪蓄積型肥満は,末梢組織におけるインスリン感受性の低下とそれに起因する心臓および脳血管系の動脈硬化性病変を高頻度に合併することから,2型糖尿病をはじめとして,高血圧症,脂質異常症といった肥満関連代謝疾患のキーファクターと考えられている。内臓脂肪の蓄積,つまり,肥満症発症のトリガーが末梢脂肪組織そのものの増大によるものであるか,あるいは脳,中枢組織におけるエネルギーバランス調節機構の破綻によるものであるのかは依然として不明である。しかし,肥満症の進展に関していえば,慢性的な摂食量過多による摂取エネルギー亢進と運動量の減少によるエネルギー消費減少の結果として捉えられ,これらの調節に重要な役割を果たしているのが脳視床下部領域である。
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